太陽光発電市場は、その名とは裏腹に雨模様、それも大降りという状況だ。
出力抑制を事業者、個人の余剰買取レベルの太陽光発電にまで拡大するという方向に加えて、固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り価格がついに30円/kWhを下回るという見通しが報じられたからである。
ソフトバンクやオリックスといった大企業は、買い取り価格がこのレベルまで下落してしまうと恐らくこの市場にはもうほとんど魅力を感じず見向きもしないだろう。もっとも、FITが2年半前に施行されてからすぐに仕込みを開始し、40円/kWhでメガソーラーを何カ所も建設または建設する準備を行っているはずで、その意味では「お腹いっぱい」ではないかと言う気もする。
発電事業は十分に仕込みを終わっている彼らが現在魅力を感じている分野は、やはり何と言っても電力システム改革、いわゆる電力自由化の方だろう。
では、太陽光には事業として今後参入する余地がなくなるのか?
確かに系統連系して売電を行うという意味では、買取価格の相次ぐ下落によって利回りが低下したことは間違いないので、FIT施行当初より太陽光が儲からなくなったことは確かだ。プチソーラーを作って連係されれば後は「ほったらかし」でOK(実はそうでもないが)という時代は残念ながら、過去のものとなりつつある。ただ、国として太陽光をすべて止めてしまうということでも無さそうである。また、今後は蓄電池(エネルギーストレージ)の普及推進が既定路線になりそうだ。
ということで、今後はオフグリッドや電力の融通、蓄電池といった形で、電力の扱いや使い方がより多様化していくのではないだろうか。しかし、オフグリッドでも、創エネの主役はやはり太陽光だろう。
最近、ソーシャルサイトでのやり取りで、固定価格買取制度は意味が無い、日本の系統網はくし型で欧州などのメッシュ型と比べると電力のやり取りが双方向で出来ないから、ダメだろう、というご意見を頂いた。
必ずしもそうではないのではと思う。なぜなら、オフグリッドによって値上げされる電力とおさらばすることだってやろうと思えば出来るし、今後ネガワット(デマンドレスポンス)取引が日本でも実用化されれば、個人でも何らかの形でその恩恵を享受することが出来るのではないかと想像するからだ。
そのためには、あと1年半後に控えている電力小売りの全面自由化によって、電力小売市場で誰でも電力のやり取りや売買が自由に行え、かつ市場全体が透明性や公正さを保つことが必要だが。
ということで、今後1年半の間に電力自由化に向けて何かオモシロいことが出来ないかと考えつつ、本日は房総の方面に太陽光発電用地の物件下見に出かけたりしている。
結局、駆け込みっぽくなってしまいそうなのだが、やはり32/kWh円のレベルで2号基、3号基をなんとかして仕込みたいところだからである。
先の愛知県東部の件といい、この辺はその都度すべてを明らかにし難いところもあるのだが、追々ご報告していきたい。
コメント