改正電気事業法が成立、発送電分離も確定?
一昨日、電気事業法が改正された:
発送電分離を決定、改正電事法が成立 参入・競争促す(日経電子版)
要するに、既存の大手電力(一般電気事業者、東京電力など大手十社)は、送配電部門の分社化が義務付けられ、来年4月からの電力小売り全面自由化とともに、電力業界では新電力各社との競争が活発化することが予想されている。
競争が増えれば大手電力の地域独占が崩れ、どのようにして作られた電気をどこの会社から買うか、選択の自由がわれわれ電気の消費者側に与えられるのは良いことである。
筆者の場合、集合住宅住まいなので、どうなるかはこの団地の管理会社がどのように扱うかにもよるのだが、もし自宅の電力会社を変更可能となるのであれば、モラルハザードの王様といっても過言ではない東京電力から、どこか他の会社にほぼ確実に乗り換えるつもりでいる。
ただ、現状では経済産業省や資源エネルギー庁がどこまで今回の電力自由化を本気で進めるつもりなのか、再エネの普及と同様にいまだにあまりハッキリとしないと感じている。極論すると、電力自由化や発送電分離というのは名ばかりで、肝心なところで電力大手を保護ないし優遇するような制度のままでは、という疑念がぬぐえないのだ。
もっとも、電力業界を旧態依然のまま放置することは、その中で起り得る技術革新(スマートグリッド等)やサービス改善(電気料金の低下や電気の選択の自由など)を犠牲にすることであり、既に電力自由化で先行する欧米各国との差が開くばかりとなる。最終的には我が国全体としての競争力の低下や、経済の停滞を中長期的に引き起こすだけに終わる。経済産業省の官僚諸氏には、その辺をよく考えて頂きたいと思う。
電力自由化で先行するドイツに学ぶ
勤め先の業務の都合で、こういった電力自由化や太陽光発電の普及で先行するドイツを始めとした欧州の事情を勉強することができる会(来週開催)に参加することになった:
【院内勉強会のご案内】6/24 (水)11~13時:電力自由化がもたらすチャンスとは? ~ドイツから専門家を招いて
主催が国際環境保護団体のグリーンピースということで、基本的なスタンスは反原発、反化石燃料という方向だろう。講師はそれに沿った人選かとは思うが、むろん筆者として異存は無い(ただ、だからといってグリーンピースの主張に全面的に賛成ということでもけっして無いが)。
いずれにしても、日本の電力自由化が骨抜きにされないよう見張って行くうえで、そのための理論武装するための機会と捉えれば、当たらずとも遠からずかと思う。もしご都合の合う方、お時間のある方は、ご参加頂ければ幸いである。
※ 本ブログをご覧でご参加される方がいらしたら、せっかくなのでお声かけ頂ければ筆者としてご挨拶させて頂きたいと考えている。(もちろん、そうご希望の場合であるがw…) コメントないしはコンタクトフォームにて予めご連絡頂ければ幸いである。
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