鳥取県湯梨浜町の分譲型太陽光発電所である「湯梨浜太陽光発電団地」について、何回かに分けてお伝えしてきた。今回の見学では、もう一つ興味深い技術を見せて頂くことが出来たので、それについてもお伝えする。
既に、この種の技術をご存知の方や、導入中または導入を検討中の方もいらっしゃるかもしれない。そう、「ドローン」およびその派生製品による太陽光発電所の上空からのチェックや検査である。
架台が高い場合など、太陽光パネルを地上から見ることが困難な場合、ドローンが特に有効
まだ、ドローンをあまりご存じない方のために分かり易く例えるなら、ラジコンのヘリコプターみたいなものである。ただ、写真を見てもお分かりの通り普通のヘリコプターとは異なり、浮上・飛行用のプロペラが複数個装備されていて見た目にはUFOみたいな感じだろうか。
このドローンの機体の下側に小型のカメラモジュールを取り付けて写真や動画を撮影することで、ソーラーパネルの目視によるチェック、さらには赤外線カメラによる破損ソーラーパネルの検知などが可能となる訳だ。
筆者が見学に訪れた日、たまたまこのドローンもどきを使ってのチェックのテストをSさんとホームズさんが行うとのことだったので、幸運にもこの種の製品が実際にどのように使えるのかということを目の当たりに見ることが出来た。
筆者の太陽光発電所も含め、架台の高さがそれほど高くなければ、こういった検査は特に必要ないかと思う。しかし、湯梨浜太陽光発電団地のように架台が高く、ソーラーパネルを地上から見ることが困難な場合には、この種の技術が非常に有効と思われる。
一般に架台の高さが2~3m以上となるソーラーシェアリングなどでも、つくばの松岡さんが設置している「ソラカルシステム」のようにソーラーパネルの角度が可変でない限り、ドローン(または派生製品)による空からの検査が有効だろう。
ドローンで太陽光発電所を検査している事例
ドローン(またはその派生品、マルチコプター)による太陽光発電所のチェックだが、論より証拠で、鳥取・湯梨浜太陽光発電団地の物件を保有されているSさんにご提供頂いた写真や動画をご覧頂くのが筆者がぐだぐだと文章を書き連ねるよりも手っ取り早いだろう。
ということで、まずは静止画の写真。
これは、「GoPro」などの小型カメラをドローンの下部に取り付けて上空から撮影した写真。
最初この写真をみたとき、筆者はこんな航空写真を撮影するなんて本格的で気合が入っているな…などと思ったのだが、実はSさんがご自身でドローンと小型のカメラを使って撮影したものだったのである。
こういった写真を撮るだけなら、確かにドローンまで入手する必要はないかもしれない。
ドローンのようなガジェットが真価を特に発揮するのは、ソーラーパネルや太陽電池の不良をチェックさせるときである。
ドローンと赤外線カメラを組み合わせて、破損した太陽光パネルや太陽電池を検出
この場合、GoProではなく、「iPhone」と「FLIR」という赤外線カメラを組み合わせて使うそうだ。この場合、FLIRを組み合わせることができるiPhoneは「iPhone 5」で最新の「iPhone 6」には非対応(注:2014年12月当時)らしいので、ご注意されたい。
(4分以上でずっと見ていると飽きるかもしれないので、適宜早送りするなりして下さい)
FLIRによる赤外線カメラの動画を見ると、赤い部分や青い部分があることが分かる。
青い部分は温度が低い部分、赤い部分は温度が高い部分と解釈しがちなのだが、実際には赤い部分は温度差が大きい部分ということで、赤く見えるから必ずしもパネルが不良という訳でも無いそうである。
今回の試験的な赤外線カメラによる撮影では、特に問題のある箇所は無かったそうだが、全体的に青い中で局所的に赤くなっている部分があれば、その箇所についてはパネルの破損が起きているために周囲よりも温度が高くなるので、不良の検出・検知が可能になるということだ。
【おまけ】
湯梨浜太陽光発電団地のEQ-100によるモニタリング・システムには、Sさんが関係者の方々と相談され立派な名前を付けられていたのだが、それをお伝えするのを失念していた。その名は「アッパレナビ」(天晴れナビ)という。
念のため、その由来は:
aPParesNavi = “automated Photovoltaics Primary affairs remote sensing Navigation sysytem”
という英語の説明的な名称にあり、その意味するところは「自動的に太陽光発電の重要(基本的)な出来事を遠隔で検知する、教えるシステム」ということである。
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