太陽光発電所の鳥獣被害:傾向と対策【九州の事例】

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(「30kW→50kW→70kWと進化、yuken氏の太陽光発電所」の続き)

豊かな自然に囲まれた太陽光発電所

豊かな自然に囲まれた太陽光発電所

yuken氏の太陽光発電所は、自然豊かな場所に立地している。
そのお陰で、周辺には多くの野生動物が生息しているという。

例えば、シカ、イノシシ、ネズミ、鳥、・・・

イノシシがエサを探し求めて掘り返した地面

イノシシがエサを探し求めて掘り返した地面

上の写真は、分かり難いがイノシシがエサを探して地面を掘り返したところだとyuken氏。

実際に、筆者も今回現地を訪れる途中の林道っぽい道で、前方に小柄なシカ(子供?)が右側の茂みから出てきて、走って逃げようとするところに出くわした。

おおっ!野生のシカが出た!!

と相当に驚き、興奮したのも束の間、そのシカは少しだけ前に走った後さっさと左側の山側の茂みへと入って行き、姿を消してしまった。その間、せいぜい10秒ほどだったろうか。

野生のシカ

野生のシカ(イメージ/via Visual hunt)

短い時間なうえにクルマを運転していたとあっては、写真を取る余裕など一切なかった。

シカがグランドカバーのシロツメクサを食べてしまう…

ともかく、そのような野生動物が沢山いる訳である。
ただ、可愛いシカが生息しているからと、良いことばかりではないのだ

yuken氏曰く:

周辺に生息するシカが、ここのシロツメクサを食べてしまうんですよ…

とのことで、なかなか難しい所があることを痛感させられた。

丈の高い雑草だけ食べて、シロツメクサだけを残してくれればベストなのだが、シカはそんなに親切じゃないらしい。

もちろん、野生のシカの代わりにヤギやヒツジ、エミューといった草食動物による除草もあるわけだが、その場合はシロツメクサによるグランドカバーとの両立はやはり難しいだろう。

いったい、何のためにプラスチックの管をかじるw?

また、ネズミか何か正体は不明とのことだが、ケーブルを納めているCD管をかじる動物がいるとのことなのだ。このため、ステンレスの網を管の口に設置してかじられないように工夫をされている。

動物にかじられないよう金属製の網を被せたCD管

動物にかじられないよう金属製の網を被せたCD管

yuken氏が「一体、何のためにどんな動物がこんな樹脂製の管なんかかじるのか分からないんですが…」とぼやく気持ちも良く分かる。

鳥除けには、やはり簡単でも糸が効果あり!

また、鳥による害を避けるために、市販の鳥除けのセットを購入し、農業資材の支柱で太陽光パネルアレイの上側に糸を張っている:

市販の鳥除け具を農業資材の支柱に設置

市販の鳥除け具を農業資材の支柱に設置

鳥よけの金具部分

鳥よけの金具部分

これを設置してからは、鳥がパネルの所に来なくなったそうだ。

太陽光発電所は過疎化の対策として役に立っている

最後に、yukenさんは、この太陽光発電所の周辺では、過疎化のために人よりも動物の数が多いと笑っていた。
そして、太陽光発電がなければ、この近くの実家にこんなに頻繁に帰ってくることもなかったと。

筆者としても同意見で、もし産業用太陽光発電をやっていなければ、今日日もっと退屈でつまらない休日を過ごしていたように思うし、岡山や広島にちょろちょろとおカネを落とすこともなかったのである。そんな訳で、改めてyuken氏と意気投合しつつ、今後の発電所の追加で「融資とか厳しいけどお互いに頑張りましょう!」と励ましあい(笑)、取材を終えた。

最後になるが、取材のご依頼をご快諾下さり、現地では色々ともてなして下さったyukenさんに篤くお礼を申し上げたい。

どうもありがとうございました。

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