京セラvs.ハンファQセルズの特許係争が決着

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京セラは「花より団子」を取った?

「あれっ、もう終わり?」
そんな風にすら感じるあっけない幕引きだった。

昨年、京セラが法廷論争に持ち込んだ、「3本バスバー電極」の技術に関する特許係争は、昨6日に両社が和解を発表し、クロスライセンス契約を締結することで終焉した。以下、両社のニュースリリースを引用させて頂く:

京セラのニュースリリース

京セラ株式会社(本社:京都府京都市、社長:山口悟郎)は、ハンファQセルズジャパン株式会社(本社:東京都港区、社長:金 鍾瑞(キム ジョンソ)と、京セラが保有する太陽電池の「3本バスバー電極構造」に関する特許(特許第4953562号)および両社が保有するその他特許の将来的な相互利用に関する実施許諾契約を締結いたしました。これに伴い、上記特許に基づき提起していた特許侵害訴訟を本年10月6日付けで取り下げ、同社との間で和解が成立いたしました。<以下略>

ハンファQセルズのニュースリリース

ハンファQセルズジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 金鍾瑞キム・ジョンソ)は、京セラ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長 山口悟郎)とクロスライセンス契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。同時に京セラにより提訴されていた特許権(特許第4953562号)侵害に関わる訴訟は10月6日付けで取り下げられました。

これは、太陽光発電業界の更なる発展のために長期的視野で両社が協力関係を結ぶことが、特許紛争を減らし、革新を促進し、消費者のみならず社会全体のメリットになるとの考えに基づくものです。<以下略>

この特許係争の終焉は太陽光業界全体で朗報

京セラとすれば、拳を振り上げてみたものの、事業にはほとんど寄与しない法廷論争にこれ以上の時間やおカネ、人的資源を投入することは得策ではないという実利的な経営判断が働いたのではないかと推測する。

ましてや「九電ショック」以降の国内太陽光発電の市場環境は冷え込みが厳しいはずで、大して新規性も(実は)無かった特許技術にこだわって無為な労力を割いている余裕などないといった状況だったのかもしれない。

この「3本バスバー特許」係争が終了したこと、そして既にメーカー各社では3本バスバー特許を回避するさまざまな代替技術を開発して製品に採用していること、などから、今後はこの領域では、特許係争が起こる可能性は低いと考えられる。

いずれにしても、Qセルズ側のリリース文に明記されていたようにユーザや消費者、社会全体としてみれば、この特許係争の意味はあまり無かったように思われるので、この点が懸念だった人や企業から見れば、この幕引きは朗報であることは確かだ。

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