FIT法改正が来年度明けに決まったこと、従来のFITも売電価格が20円台となり、また出力制御(出力抑制)などが東電など電力大手各社の希望通りに可能となったことなどから、住宅用・産業用とも太陽光発電は相変わらずあまり良い天候とは言えない状況だ。
そういった状況を反映してか、中電管内では系統連系の申請から連係工事負担金の確定や連系工事の実施などが、以前と比べてかなり早く進捗するようになっていると感じている。
工事まで完了の4号基、8号基も負担金が早々に確定…
東広島の4号基では、連系工事負担金の支払いを済ませた後何か月かでこちらの用地の準備すらまだ終わっていないのに、既に電柱と変圧器が設置されていて、こちらの方が早く太陽光発電所を設置しなければならない状況となっている。
3号基の方も、こちらが資金繰りや擁壁崩れなどでモタモタしている間に、もう電力会社側の工事や準備が既に完了してしまっているのかもしれない。
また、27円で取り損ねた8号基(@呉)も、連系申請から連係協議がサクサクと進んでいる。
こちらの不備などがあったものの、先方から確認を促され、それらへの対応が終わるや、連系工事負担金が早くも確定してしまった。
その負担金の額は25万円足らずということで、こちらに不満はない。
負担金の請求書が送られてきてしまうと、その後1ヶ月以内で負担金を支払わなければならなくなるため、予め負担金の額が確定したら、請求書の送付を保留し、いったん筆者にその額を知らせてくれるよう依頼しておいたのである。
お陰さまで、筆者からの依頼通りに負担金の請求を保留してくれ、系統連系の手続きの担当者から電話連絡で負担金の額を連絡して頂いた。
あとは、地権者の方との交渉を行い、互いが納得できる条件で合意に至れば、土地の売買または賃貸の契約を進めると同時に、中国電力に請求書の送付を依頼し、連系と土地それぞれの契約を確定させるだけである。
ちなみに、中電側の連係協議(技術)担当者の方によると、経産省から現在進行中の案件を早く処理するように指示(命令?依頼?)があったという。
地権者が心変わり?諦めた案件に誰かが設備認定を申請…
あと、滞留と言う意味では、実は広島の福山でもう一つ設備認定だけは取得済みの案件があった。
そこでは、農地転用がほぼ不可能ということが途中で判明しそれ以上の進展を諦めたのだが、設備認定はほったらかしにしておいたのだ。
ところが、その地主かその親類かは分らないのだが、誰かが筆者とは別に(恐らく、32円以降、27円とかの買取価格で)設備認定を申請したと思われ、認定がダブっているから、どちらの権利が強いかを証明しろという連絡がメールで来たのである:
お世話になっております。JPEA代行申請センターです。
下記認定につきまして他登録者様から同一の所在地にて申請となっております。・設備ID : A733●●●F●●
設置者氏名(氏名/企業名): ビッグふぃーるど
設備の所在地: 広島県福山市○○○14○○-1★引き続き上記設備所在地での発電をご計画されている場合
設備の所在地について権利強度の確認が必要となります。
下記3点の書類の提出が必要です。ご提出いただく資料は一週間以内に、JPEA代行申請センターまでお願い致します。
———————————————————————————————-
FAXまたは、PDFファイル送付専用のメールアドレスへ、資料をご送付ください。
<1>設備所在地の土地登記簿謄本全部事項証明書
(※法務局の印の確認できる3ヶ月以内に発行された最新の情報が記載されているもの)<2>土地の地権者様と設置者様が異なる場合
土地の地権者様と設置者様の間で交わされている、土地賃貸借(または売買)契約書<3>地権者様の印鑑登録証明書
(3か月以内に発行されたもの)<以下略>
こちらとしては、もう諦めて32円では取れなくなった案件だし、どうせその地権者かその関係者などでない限り農転も不可能なのだからと思い、潔く設備認定の取り下げ手続きを行った。どうせあの物件は「酸っぱいブドウ」だと思って、改めて諦めることにした訳である。
経産省としては、来年度からの改正FIT法施行も合わせて、とにかく滞留案件や処理中の案件を今年度内に全部とっとと一掃してしまいたいということなのだろう。
ともかく、これで広島の方は農転できなかった案件の設備認定を一件取り消したものの、最後の24円案件を含めて3件すべてが確定しそうな感じである。
それに対して、東関東では3件がまだいずれも負担金の確定まで漕ぎ着けていない。
東電への確認や、必要な事務処理をさっさと進めなければならない。
32円/kWhの案件は、このまま失効させるには、もったいなさすぎる。。。
コメント
大変長らく、ご無沙汰いたしておりました、以前九電ショックでご相談しましたM.I.でございます。
ビッグフィールド様おかれましては8号基の設置が進行中とかで、ソルトを得ておられる御身にしては
凄い実業家ですよね。ところで、わたくしが、産業用太陽光事業を語るときによく言うのが「元首相の官直人さんとソフトバンクエナジーの遜正義氏には足を向けて寝ることができませんよ。」「fitが始ったこの時代に事業をできる年代にあったのは何事にも代えがたいですよ。(何故なら今年から選挙権は18歳以上に与えられましたけど誰が太陽光事業をしたいと考えた18歳の若者がいたろうか?)」「江戸時代の浮世絵に描かれた日本を我々も見たいものだと以前の日本には浮世絵に見れるフルカラーの世界が回り全てにあったのだろうと?(浮世絵の画像を将来の子供達に残してやりたい)」これらのことを事業を始めた思いとして話すとき、皆さま「それは詭弁だよ」と言われます。そこそこの人生経験があり、社会のシステムを理解した者達が地球環境をこれ以上悪化させたくとの思いで再生可能エネルギー事業に取り組んだのですよネ。
わたくしはガンとして訴えたいのです。私は地球環境悪化の抑止と被爆の恐怖に恐れる生活を送らないために再生自然エネルギーの可能性に努めたいと。
M.Iさま、
コメントありがとうございます。
ご主張には激しく同意致します。
太陽光を始めとする再エネをディスる方は少なくありませんが、適切なやり方で進める限り、プラスにこそなれどマイナスにはならないと考えます。
むしろ糾弾されるべきは、いわゆる「悪徳ペンタゴン」と称される利権にまみれた連中です。
再エネを挫き、放射能をばらまいてもロクに責任すら取らずに暴利を貪ってきた彼らに、これ以上日本のエネルギーを好き勝手にさせてはなりません。
世界全体でも、再エネがコストや安全性、低公害性から主流になりつつあります。
お互い頑張りましょう。