用地は余ってるのに、過積載にしなかった太陽光1号基
家は3回建てないと満足できる、理想の家にならない、などと良く言う。
産業用の太陽光発電所も、もしかしたら同様なことが言えるのかもしれないと感じている。
筆者の場合、岡山県南東部の太陽光1号基(Qセルズ多結晶52kW)は、kW単価が高め、ソーラーパネルの選択はまぁまぁ、施工会社は、地場ながら有力でクオリティの高い設置工事を行う会社、という感じだった。
用地に関しては、日当たり、形状や系統網への距離などは問題無かったが、やはり坪単価が高め(といっても、今考えれば、相応だったようにも思うが)、他の人の土地との位置関係上、連系時に連系線が当初の想定よりもずっと長くなってしまった。
総合的にはシミュレーション以上の実績で発電/売電が出来ているようで大きな不満はないのだが、土地がまだ相当余っているのに52kWしかパネルを置かなかったのが今も悔やまれる。
あと10kW程度はこの36円が確定していた時に増設しておくべきだったと思うが、その当時は全体の予算や電力会社への申請などから結局無難な線に留めておくという選択をしてしまったのが全てである(現在より過積載についての知識が足りなかったこともある)。
太陽光2号基:過積載はOKも、施工品質に不満が残る
岡山県南西部の太陽光2号基(67kW)については、32円案件なうえに多少は知恵がついていたので過積載は当然、ソーラーパネルも周囲の地形(影)の影響等も考慮して自身で最も適切と考えるもの(ここでは影に強いソーラーフロンティアのCIS)をピックアップ。
岡山県内でも特に日照条件に恵まれている地域に用地が位置していることもあり、過積載の威力も手伝ってこちらのパフォーマンスは悪くない。
買い取り価格が32円/kWhなので36円/kWhに比べると売電金額では大きなハンディがあるものの、パネルが50kWであればさほど発電しない時間帯でも17kW分の過積載による効果でkWだけで比較するとやはり1号基とは比較にならないレベルとなっているようだ。
ただ、施工がローコストな小規模事業者で、施工品質については1号基に比べると正直あちこちで見劣りする点が目についた。また、いわゆる「分譲型太陽光」とほぼ同じような形で取得したため、結果的には施工品質の割に高くついたことも否めない。
消費税を除けばkW単価で28万円という額は、分譲案件としてはそれほど高い買い物では無いようにも思う。
だが、太陽光発電ムラで最近発売したほぼ同じ規模や構成の太陽光自作キットが部材だけならkW単価で16万円(工事費、送料、税金は別途要)と一昔前なら有り得ないハンパなく高いコスパを実現してるのを見ると、「施工費を入れても俺の2号基よりずっと安く上がるな…」等とどうしても感じる今日この頃…
両者の「良いとこ取り」にしたい太陽光3号基
そんな訳で、現在準備中の太陽光3号基では用地の形状に難があるものの、施工品質や部材の選択、コスパでは極力妥協せずに進めたいと考えている。幸い、連系工事負担金は当初の想定よりずっと安く済んだ。
もちろん設備認定が終わっているため、ソーラーパネルのブランドや型番、出力などはすべて変更不可だが、それ以外の架台やフェンス、雑草対策、遠隔監視などはすべて自分のやりたいようにできる。
逆に言えば、それだけの自由度を生かすも殺すも自分次第な訳で、怠惰な自分に鞭を打ちつつ、なんとか進めている状況である。
スクリュー杭不要、自作にも適した架台
例えば、架台の選択が現在どうなっているか。
最近も、単管パイプで行くか、それとも専用の架台を使うか、架台は中国からの輸入品で良いか……などネットの情報を見ながら色々と思案していた。
「アリババ」のサイトにアクセスして、「太陽光 野立て 架台」とか「太陽光 地上設置 架台」(英語なら solar ground mounting system)などといったキーワードで検索すると、中国の架台メーカーの情報が掃いて捨てるほど出てくる(日本語の情報は機械翻訳をそのままページに入れているせいか、意味不明な文が多いが)。
それを一つずつ見ていると、いくら時間が合っても足りない感じである。
しかも、まさに玉石混交の状態なので納得できるコストで調達が可能で信頼できる業者を選び出すのは容易ではない。
そうこうしていた所、太陽光ムラ関連の友人であるAZ氏が筆者と同様の縦置き構成で架台を検討しているという情報を頂き、確認してみたところ、自作やDIY/DITにも適したローコストな架台であることが分かったので、筆者もそちらに便乗しようかという話になっている。
重機の必要なスクリュー杭を使わない(∴重機も不要)のだが、野立てで地面に杭で固定する点は同じで、1号基のように地面の下に石や岩がゴロゴロ埋まっているような用地では使えないため、この点は予め確認が必要である。
自身でも作業を厭わず、施工品質にも妥協しない
施工に関しては、3号基の用地が関東からは遠い広島であることもあり、100%の自作はまず不可能。だが、施主支給工事を受けてくれる業者に部分的に外注しつつ、可能な範囲では自身でも現場で手足を動かして作業を行いたいと考えている。
例えば、パネルからパワコンに接続するケーブル(CD管ないしPF管に入れる)は、手間がかかるものの地面に埋める方がメンテナンスを考えると絶対に良い。2号基では業者が工数を節約するために地上を這わせただけとなっているが、現在そのために草刈りなどで余計な手間暇や気苦労がかかる原因となっているからだ。
とにかく、1号基/2号基の良い所と悪い所が十分に分かっているので、3号基では両者の「良いとこ取り」にするのが当面の目標である。できれば年内、遅くとも年明け位までに連系に漕ぎ着けることを目指したい。
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