群馬県の伊勢崎市周辺で起きた突風で、どなたかの太陽光発電所が大破してしまった。
まずはニュースの映像をご覧頂こう:
ニュース動画の最初の30秒ほどだが、野立ての太陽光発電所が無残にも突風でやられてしまっていることが分かる。見た所、単管パイプで組んだ架台のように見える。単管架台が悪いという訳ではないが、強度計算には問題があった可能性がありそうだ。もちろん、単管でない架台でも、強度が足りない架台や基礎であれば、当然破損するだろう。
もう一つの観点は、この太陽光発電所のオーナーが損害保険に加入していたかどうか。
無保険ということは恐らく無かっただろうと思うが、実際にこういった天災による被害が及んだ事例を見ると、保険に入っておくこと、可能なら太陽光発電所が停止している期間中の損失がカバーされるオプションも付保しておくことが非常に重要だということが分かる。(筆者の場合、2号基はオプション付きだが1号基は発電所の損害保険のみ付保…)
太陽光発電所の設置数が激増したのが理由か良く分からないのだが、連系・売電開始後2年目にして保険料がかなり上がってしまった。しかし、だからといって保険に入らないと今回の突風のような天災が自分の発電所に被害を及ぼしたときに泣きを見ることになる。
今年も梅雨で梅雨前線が活発化すると集中豪雨があったり、また梅雨の後は台風が来たりといったことが予想されるし、今回のような突風や竜巻、雹(ひょう)などが来たりする可能性は低くない。また、冬季の東北、北陸や北海道と言った地域の太陽光発電所であれば、積雪対策が非常に重要である。
とにかく、こういった天災などの事態に施工の面や保険の面で備えておくことは、やはり非常に重要だと痛感した。
なお今回の突風の件、太陽光発電ブログのランキング(例えば、にほんブログ村)でも、やはり色々と話題になっている(特にお奨め記事は、現在ランキング86位、あやぱぱさんの「猛烈な風と雹」)。
それにしても、今回運悪く伊勢崎市で被害に遭われた方の太陽光発電所が一日も早く修復され、売電が再開されることを願ってやまない。
コメント
災害保険もですがそれ以上に重要なのが盗難保険。最近野立て物件が毎月のように電線泥棒に遭ってます。
なにせ盗む側からしたらノーリスクハイリターン。少々フェンスがあろうと重機やユニック使っているのか無理やりCVT引っこ抜いていきます。監視カメラがあろうと盗まれた後に気付くならどの道保険が必要なわけで…
一度盗まれた地域は連続で来ることも多いので近所の太陽光がやられたら要注意です。こういう情報は本当は業界内で共有して欲しいのですが。
後、保険でも落雷は例外だったりする場合もあるので今一度保険内容を確認することをお勧めします。直撃雷で無くとも誘導雷でパワコンや接続箱壊れること多いので。
パワコンマニア様、
コメントありがとうございます。
ご指摘のように、盗難保険も重要ですね。
天災の頻度と盗難のリスクを比べると、場所にもよりますが、確かに盗難の方がリスクとしては高いと思います。
盗む側のリスクがゼロかどうかはともかく、常時誰かが張り付いてでもいない限り、電線泥棒を完全に防止するのは難しいかもしれません。
落雷が例外かどうか、確認しておきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。< (_ _)>
失礼します。
記事が本当でしたら安普請な施工が最大の原因かもしれません。
ttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150617/423600/
「設置方法は、単管パイプを1m程度、杭基礎として地中に打ち込み、そこに単管パイプをジョイントで架台に組み上げていた。・・・」
引き抜き強度はほぼゼロと言っても過言ではないかもです。
10段というのも大凧を作ったみたいなもんですし。単管の組み方も弱かったんでしょうね。風を受けて単管架台が歪んでパネルが外れ飛ばされ・・・だと思います。
基礎は大事ですね。
(リンクがまずければ削除ください)
通りすがり様、
コメントどうもありがとうございます。私もご教示の記事を読みました。
確かに、単管パイプ架台でわずか1mしか入ってない基礎に加えて、10段のパネルアレイも問題だったでしょうし、群馬のあの地域はもともと竜巻とか突風のようなものが良く発生するようなので、それらの条件がすべて重なった結果、運悪くあのような大破という結果になってしまったように思います。
太陽光発電では、まずソーラーパネル、そしてパワコンのスペックに囚われがちで、架台や基礎までは気が回らないことが多いと思いますが、基礎も確かに大切ですね。