相次ぐ”天変地異”レベルの災害
ここ数日、集中豪雨による水害や火山の噴火など天変地異と言ってもよいレベルの災害が立て続けに発生している。しかも、それらの災害で太陽光発電所が絡んでいたりして、副業で小規模ながらも同じ太陽光発電を営む事業者としては心穏やかならぬものがある。
以下、遅ればせながらそれらのニュースをいくつかまとめ自身のための備忘録としつつ、筆者の考えなども整理しておきたい。
まず、9/11の豪雨とそれによる鬼怒川(茨城県常総市若宮戸)の堤防決壊について。この事件では、太陽光発電事業者が鬼怒川沿いの丘陵の一部を削り取る造成工事を行ったといい、それによって鬼怒川が氾濫したのではという報道もあるので、それらを列挙してみる:
太陽光発電を「犯人」にしたがる
これらの太陽光発電事業者を原因(犯人)とする主張に対しては、ありえないデマだと否定する論評や、当事者側からの反論も出ている:
- 「弊社が所有する『常総市若宮戸ソーラー発電所』と、鬼怒川氾濫に関する報道について」
ソーラーエナジーインヴェストメント株式会社(PDF)
ちなみに、上記リンクの記事のうち、石井孝明氏は、何かにつけてすぐに太陽光発電を目の敵にする、御用ジャーナリストではないかと考えている。「…可能性が高い」とやや婉曲的な表現ながら、太陽光発電を犯人にしたがっているようだ。
この件については、太陽光発電ムラの太陽王子も既にブログで記事を掲載しているので、そちらもご紹介:
「太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について」(PDF)
一般社団法人太陽光発電協会
水没した太陽光発電所は感電の危険性がありマジで危険だと思われるので、とにかく近づかないことだ。売電収益が気になったとしても、感電死しては本末転倒である。
次は、災害にはまだなっていないようだが、斜面を危険なな形で掘削、太陽光発電を設置した事例:
和歌山県が業者に対して改善策を示すよう求めているという。
集中豪雨などで土砂崩れや土石流が発生し、下流に被害が出ない事を願うばかりだ。
川内原発が稼働した九州で、阿蘇山が噴火
最後は、九州・阿蘇山の噴火。
九州では、鹿児島県屋久島町の口永良部島で5月末に噴火が発生し、住民が避難するなどかなりの影響が出ているが、今度は熊本県の阿蘇山が噴火している。これら活火山の噴火の間を縫うように、川内原発が再稼働されているが、周辺の住民は気が気ではないのではないだろうか?
地元の方々の命や生活がかかっている事に比べれば、太陽光発電への影響など些末なことでしかないかもしれないが、熊本や大分など阿蘇山の周辺、特に風下に当たる地域では火山灰がソーラーパネル上に降りかかり、発電量への影響が出る恐れがありそうだ。
これについては、降り積もった火山灰を掃除するしか対策がないが、影響が最小限で済むよう祈念するばかりである。
こういった天災に対応するには、やはり保険でカバーすることが重要であると再認識した。
コメント
今回、ソーラーが悪者にされているんですが、
実際どちらの気持ちも分かるんですよね。
流されたほうは当たり所がほしいですので分かりますが、
売った地主としては、税金や維持で費用がかかるのに、補助もなく、国が買い取りもしなかったみたいです(破産競売で手放したそうです)
買ったソーラー業者としては、発電量を最大にしない限り、投資効果が薄れます。
もちろんモラルの問題もあるんでしょうが、危険があるのに、国も近隣住民も放置(抗議したといってますが、差止訴訟も起きてませんし、自然堤防なんて不安定な場所に本当に危機感があるなら、すでに国を動かしているでしょう。)されているところに、
企業のみ危機感を持てというのは厳しすぎないでしょうか?
そもそも前の東京オリンピックのために砂採取された後なんですから、東京の人たちは文句言う権利はないと思います。
匿名希望さま、
ご指摘のように企業だけの責任にするのは、公平ではない気がしますね。
土手の造成に法的な問題が無ければ、企業側に落ち度は無かったということになるのですが、難しいのはやはりモラルとか地域住民の感情といったところかと思います。
また、想定外の豪雨だったとはいえ、行政側にも防災の観点で問題があったかもしれませんし。
他山の石としたいところですね。
農地の件でも、法律が悪いから俺は守らないというのとは違って、法的に問題がないとしても、無過失責任に問われる恐れがあります。訴訟提起されるかもしれません。住民にとっては、腹の虫が収まらないというか八つ当たり的な対応をするのではないかと思います。
周囲とうまくいっていようがいっていまいが、なんらかのトラブルが発生するとそういったことは関係がなくなります。
蛇野さま、
この件、本当に難しいですね。無過失責任なんていう言葉・概念まで出てくると、太陽光と言っても気軽には取り組めない気もしてきます。
周囲の方々との関係を良く保ちつつ、起こり得る問題の可能性をすべて想定しておかなければならないのは大変ですが、今回のような造成による水害の他にも反射光とか、強風で飛ばされたパネルによる損害等も含めて考慮に入れておく必要はありそうで、私としても注意したいと思います。
住民からの訴訟だけでなく、保険会社が保険金を支払った場合、株主から訴えられる可能性があります。そうなると、設置した人や企業に対して代位弁済を求めるということも考えられます。
法的にはセーフであっても、ソーラーを設置したことで災害が起こってしまうと
このようなことが起こってしまいます。裁判の判決次第ですが。
私もこういったことは想定していなかったので、いざこういう問題が出てくるとあたふたしてしまいます。