太陽光発電所4号基をソーラーエッジでリパワリング

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リパワリングのストリングマップ
この4月末、東広島の4号基で「リパワリング」工事を実施した。

リパワリングとは、既存の発電所を改修して出力や発電電力量の向上を目指すことを言う。特に狭義では、ソーラーエッジ等の「オプティマイザー」と対応パワコン「SE17.5K-JPI」を採用することによって、発電電力量のアップを狙う場合を指すことが多いようだ。

ということで、今かなり流行っているリパワリングを筆者も行った訳だが、その主な理由は2つ:昨年11月に故障したT社製三相パワコンからより高効率なパワコンへの乗り換え、および、発電所の西側にある雑木林による影の影響低減、である。

パワコン故障による逸失損失が痛かったが…

まず、故障したパワコンの乗り換えだが、これは直接には5台のパワコンのうち1台が昨年11月に故障したまま結局4月までずっとそのままだった状況を早く改善したかったということ。ただ、リパワリングすることを決断してから、ソーラーエッジ社とのやり取り、それに何よりも中国電力との連系協議やり直しに時間が掛かってしまった。

電気工事の業者さんから「連系協議のやり直しには1カ月位は掛かる」と予め釘を刺されていたので、こちらもそのつもりで最善の対応をしたつもりだが、それでも結局1カ月以上、現実には2カ月弱位の時間を費やすことになった。

結果的に数十万円のレベルで売電収益の逸失損失が発生してしまったのが痛いが、これは致し方ない。今後同様のパワコン故障が起きた時のBCP(事業継続計画)立案をするうえでの授業料とでもいうことにしておこう(負け惜しみ)。

中電側からなかなか回答が得られずヤキモキさせられたのだが、業者さんによる催促も奏功したのか、4月の中旬にやっと整定値が25日にもらえるとの連絡があった。それから即日でリパワリング工事を開始してもらうこととなり、ゴールデンウィークの連休前には無事に再連系までこぎ着けることが出来た。

リパワリングを行った東広島の太陽光発電所4号基

ちなみに、中電管内では倉敷支社で同様にリパワリング工事の連系協議を行っている方がいたのだが、そちらは2月から依頼しているにもかかわらず、倉敷支社の担当者がOKと言ったり、ダメと言ったりでまだ連系協議を終えられないでいると聞いた。

東広島の方も時間は掛かったものの、最終的には連系協議を完了させることが出来ただけマシかもしれない。倉敷支社の方も早く連系協議が終わることを祈念するばかりだ。

(ちなみに、ソーラーエッジ社の新型パワコンによるリパワリングは、中国電力の管内では筆者の発電所が第一号案件だそうである。東電管内などでは既に何ヵ所かあるそうだが。)

なお、ソーラーエッジ社の新型パワコン「SE17.5K-JPI」だが、変換効率は97%とかなり良い。これまでの93%程度より4%も改善されており、発電電力量がそれなりに増加しそうなので、実は結構楽しみである。

冬場にアレイにかかる影の影響低減に期待

次に、影の影響低減である。これは、ソーラーパネル2枚に1個設置するオプティマイザーによる効果だが、これもパワコンの乗り換えと同じかそれ以上に重要な要因である。

ソーラーパネルの裏側に取り付けられた「オプティマイザー」

筆者の東広島の発電所では、西側、特に南西側にかなり丈の高い雑木や竹の林がある。

冬場など太陽の高度が低い季節だと、午後の少し遅い時間にこの雑木林による影がパネルアレイの一部に掛かってしまい、発電電力量がかなり逸失していたのだ。(もっと早く気づけよw!→自分)

これには、全発電所の発電電力量を通年ですべて表計算ソフトに入力して比較などしてみたことで初めて気が付いたのであるが、特に冬場の損失が中長期的には無視できないほど大きかったこともあり、オプティマイザー導入を決断することとなった。

オプティマイザーによる効果が実際にどれ位あるか分かるのは恐らく今年の秋から冬、年明けの春頃まで待たなければならないが、これも楽しみである。オプティマイザーによる影の影響低減効果についても、また分かり次第お伝えしたい。

リパワリング後の発電電力量

なお、筆者の発電所では、鹿嶋市の2ヵ所と東広島で独ソーラーワールド社製の多結晶ソーラーパネル(出力260W)を300枚という同じ設備容量(78kW)で採用している。

また、地理的には、同じ広島県内で日照条件が比較的近い大竹市でもパネルのブランドおよび種別は異なるものの、同じ設備容量の発電所を運用している。発電電力量を比較するうえで、これらのことも大いに参考になったことを念のため付記しておく。

ソーラーエッジ「SE17.5K-JPI」についての補足

今回採用したパワコン「SE17.5K-JPI」だが、この機種の定格出力は17.5kWである。
したがって、このまま3台を使用すると連系出力は17.5kW×3=52.5kWと低圧の上限である50kWを超えてしまう。

そこで、SE17.5kWに備わっている出力調整の機能を利用して各パワコンの出力を1kW下げてから使用する。

そうすることにより出力が16.5kWとなるので、3台の合計も16.5kW×3=49.5kWとなり、これまでと同じ出力となり問題が無くなる訳である。

コメント

  1. エジソン より:

    リパワリングによる発電量の増加効果はどの程度ありましたか?

    • ビッグふぃ~るど より:

      エジソンさま、

      コメントありがとうございます。
      リパワリングの効果については、近日中にブログの記事として書こうと思っています。

      少々お待ち頂ければ幸いです。<(_ _)>