Looopの太陽光発電キットを採用、76kWの「過積載」
昨日の土曜日に、太陽光発電ムラで「過積載番長」との異名をお持ちの”あやぱぱ“氏と、”E爺(E.G.)“氏の太陽光発電所を見学させて頂く機会を得たので、以降でお伝えしたい。
場所は千葉県との県境に近い、茨城県鹿嶋市の某所。
こちらで太陽光発電をE爺さんがまず始められた(コチラについては後述)。
その後、太陽光発電ムラを介してE爺氏と知り合いとなられたあやぱぱ氏も隣接した土地にて、巷で話題となっている過積載型の太陽光発電所を設置、先ごろ無事に系統連系が完了して売電が開始されたという経緯がある。
今回、あやぱぱ氏に取材・見学を依頼させて頂いた際に、彼には「E爺さんの取材を先にすべきかも」との示唆を頂いていたのだが、幸い昨日ご両名とも現地にて作業をされていたので、両方とも見せて頂き色々と興味深いお話を聞かせて頂くことが出来た。
ということで、あやぱぱ氏の過積載型太陽光発電所だが、既に関連記事のコメントにてご教示頂いていた通り、Looop社の太陽光発電キット「MY発電所キット7672」を改造し76kW相当に拡張採用していしたものである。
発電所の広さは1390㎡とのことで76kW分のソーラーパネルを設置してもまだ余裕がある。
あやぱぱ氏は、ここに低圧連系で2基を設置したいとの意向を元々お持ちだったという。ところが、例によって「みなし高圧」となり連系ではるかに時間がかかってしまうこととなるため、筆者と同様に低圧1基のみでの設置に計画を変更。
その代償として、同氏はコストパフォーマンス追及のためにパワコンに対しパネルの出力を可能な限り高める「過積載」技術を追及することにされた訳である。
(この辺の経緯に関しては、カラオケ用マイクの技術に関しては太陽光発電ムラ内で右に出る者がいないあやぱぱ氏の「エンジニア魂」をひしひしと感じる。彼の太陽光発電に対するこだわりについては順次お伝えしていくつもりだが、技術者としてのキャリアを早々に放棄した筆者との違いを感じてしまった…)
本社・事務所も太陽光発電所の用地内に設置
過積載型プチソーラーとしてもまだ土地が余るため、事務所もここに設置された。
電気は既に使える状態となっており、今後はインターネットや監視カメラの設置も可能なように「有線で通信インフラも設置したい」(あやぱぱ氏)という。
この事務所の建物自体は、知人の方に譲って頂いたそうで、あやぱぱ氏の人脈の広さや人柄の良さを示唆するエピソードだと感じた。
あと、どうでも良い話ではあるが、この「アジト」は男なら誰でも少年時代に一度は夢中になったのではないかと思う、「基地」を連想させるものでもあった。
筆者も発電所の北側の余った土地にこういったアジトを置きたいという気持ちがあり、今回の見学でかなり影響を受けてしまったように思う…
太陽光発電の話から少し逸れた。過積載太陽光発電所の話に戻ろう。
コスパ抜群の過積載太陽光発電所DIY
あやぱぱ氏の太陽光発電所、Looop社の76kW低圧キット72キットを改造し76相当にしたものを利用している訳だが、ソーラーアレイ配置の設計や、施行も相当の部分をあやぱぱ氏がDIYないしDIT(Do it Together: 太陽光発電ムラ、ピッピさんの受け売り…)で行っており、コストパフォーマンスが非常に良い。
キットの値段は、Looop社のウェッブサイトにある通りで、1250万円(税別)。施工は重機などが無いと大変ということで杭基礎のみ手頃な値段(25万円程度)で請け負ってくれる土木工事業者に依頼してやって頂いたそうだ。
杭基礎の工事より後の架台の組み付けとパネルの取り付けはすべてあやぱぱ氏や有志の方々(太陽光発電ムラのAさん等)が加勢して皆で行ったということで、ほぼゼロ。
相当の作業や工数なので、恐らく互いの助け合いという取り決めになっていると思うのだが、消費税も上がったりしている昨今、モノにしろサービスにしろ物々交換やバーターの形で入手できると非常にコスト削減効果が高いはずだ。
76kW太陽光発電キットと杭基礎工事費用、その他の費用を足しても1400万円以内で納まっていると思われる。となると、kW単価は 1400/76=18.42…、なんと20万円を切り18万円ちょっとで低圧連系の太陽光発電所が出来たということで、これは驚異的なコストパフォーマンスの良さ。筆者としても今後是非見習いたいところである。
パネルIDによる振り分けやパワコン設置場所の工夫で収益アップも
施工時には、キットを単に粛々と設置しただけではなく、あやぱぱ氏独自のこだわりの工夫も盛り込まれている。
まず、パワコンの設置位置。キットの組み立て説明書によると、アレイやストリング毎にパワコンを一台ずつ取り付けるような仕様で記述されていたそうだ。それをパワコンを集中して設置することで、配線の抵抗を減らし、損失の低減を狙っている。
また、ソーラーパネルのばらつきをある程度まとめることで、効率アップも図ったという。
具体的には、ソーラーパネルのID番号で振り分け、300W~305Wのパネルを発電所敷地の北側に、305W~310Wのパネルを同南側に配置した。
これらの工夫によって、年間では5万円ほどの差が付くとの試算であり、10年なら50万円、20年なら100万円の違いが出るという。
筆者より少々後に連係されたとはいえ、過積載+これらの工夫によって売電収益ではあっと言う間に逆転され追い越されそうである。あやぱぱ氏に脱帽するしかない。
(続く)
コメント
ご紹介していただきありがとうございます!(^^)
パワコンの配置は集電箱までのケーブルを最短かつ揃える狙いですが、パネルからパワコンへのケーブルは倍以上必要になりました。普通は施工業者に断られるかもしれません。(^^;;
あと、田淵三相だと隣り合う吸排気孔が近くなるので対策が必要です。
ちなみに私のは76キットではなく、型落ちの72キットを改造して76相当にしたものです。300Wパネルも初期不良0%で発電量もスペック通りと期待以上でしたが、残念ながら現行のキットでは使われなくなりました。
あやぱぱ殿、
コメントと修正、どうもありがとうございます。(というか、お手数をお掛けし、どうもすみません。)
誤解の無いよう、本文の方も適宜修正しておきました。
(パネルの出力が300Wとお聞きしていましたが、現行のLooop社のパネルの出力と異なったため、あれ?と思ったのですが…)
300Wはなぜ使われなくなったのでしょうね。
機会があれば、Looopさんにも聞いてみたい所です。
パワコン通風孔の「ガンダム・フード」については、今日~明日の記事にてご紹介させて頂きますね。
価格について補足させて下さい・・・
1400万にはパネル追加費用や資材運送費、みえるーぷ代、フェンス代、連係費用などは含まれていません。実際のところ、代理店契約して100%自力で施工しない限りKWあたり20万切るのはなかなか難しいと思います。
その他、土地代、整地費用、廃棄費用、交通費、そして消費税などなど・・・トータルではなんだかんだで2000万弱くらいはかかっています。^^
あやぱぱ様、
コメントと補足情報どうもありがとうございます。
そうでしたか、なんだかんだでそれ位かかってましたか。
でも、過積載の威力で回収はかなり早そうなので、羨ましいです。
私の方はパネルが52kWしか無くやはり発電量が限られるので、回収には10年近く掛かる見込みです。
九州でDIYで発電所をやっているものです。
ちょっと自慢ですが、
40円でパナソニック50kwを、
架台は、自己購入+組立自分、
その他業者任せで、1250万(消費税;連携100万含む)
36円でカナディアン50kw×5箇所
架台購入+組立はDIYで
その他業者任せで、1000万(消費税、70万の連携含む)
で行いました。
ちょっと自慢ですが、かなり安く頑張れましたよ。
りゅう!様、
コメントありがとうございます。 そのコストは確かに凄く安いですね。
どのようにそれだけのコストダウンに成功されたのでしょうか?
もし差支えなければ、その秘訣というか秘密?をご教示下さい。(部材の調達先選び?)