一括償却OK、産業用オフグリッド・バッテリーが登場

「生産性向上設備投資促進税制」による一括償却が可能な産業用オフグリッド・バッテリーシステム

産業用太陽光発電と連携して使えるオフグリッドのバッテリーシステムを慧通信技術工業(本社・兵庫県神戸市 代表取締役 粟田 隆央)が1月17日に発売した。

同社のバッテリーシステム「パーソナルエナジー」は、環境活動家の田中優氏も導入していることから筆者も知ってはいた。ただ、一般消費者向けだとオフグリッドでは価格やターゲットとなる顧客層の数などでビジネスとしては厳しいのではないかと感じていたのである。

そこに今回の産業用オフグリッドのバッテリーシステムということだが、リリース文を読むと、

産業競争力強化法「生産性向上設備投資促進税制」による特別償却が可能

と記している。ということは、太陽光発電システムとこのオフグリッド用バッテリーシステムを組み合せることで、取得価額の全額を即時償却することによる節税が可能となる。(「生産性向上設備投資促進税制」は、グリーン投資減税の終了後に出て来た同様の制度、念のため。)

このため、太陽光によるクリーンな電力を自社で使いたいといった方向性を持つ一方、同時に事業が順調で法人税を圧縮したいというニーズを持つ企業や法人で採用される可能性がかなりあるように思う。

筆者も太陽光パネルとこのオフグリッドのバッテリーシステムを適切に使える場所があり、両方分の資金調達さえできれば、採用を検討してみたいところである(ただし、価格はそれなりだったと思う)。

系統連系させればマイクログリッドとしての運用も可能に

リリース文に添付されていた簡易的なブロック図を次に示す:

慧通信技術工業の「産業用オフグリッドシステム」

慧通信技術工業の「産業用オフグリッドシステム」(出典:慧通信技術工業)

また、再エネ電源としては太陽光だけでなく風力発電も問題ないようなので、現状設備認定がボトルネックとなっている風力発電もこういったオフグリッドのバッテリーシステムと連携させることによって、系統への接続という制約を受けずに利用が可能となるかもしれない。

図中、BATはバッテリー本体、BMUはバッテリーマネジメントユニットだと思われる。

バッテリーの容量は28800Wh=28.8kWhなので、40kWの再エネ電源であればフルに発電する状態なら28.8/40=0.72時間、つまり約40分ほどで満充電となる。

産業用として負荷が一日に5kWhなら6時間弱、10kWhなら3時間弱ほどバッテリーからの電気が持つ計算になる。夜間にあまり消費電力が多くなく2~3kWh程度なら一晩程度はもたせることも出来そうだ。また、風力発電で風況の良い場所であれば、バッテリーの電気を使い切ることなく、運用が可能という場合もあるかもしれない。

太陽光発電システムは「40kW」とあるので50kW未満の低圧連系の規模に適合するようだ。オフグリッドを謳っているものの、このブロック図を見ると電力会社からの系統網の高圧(6600V)での連系も可能なようだ。

なので、完全に傾倒と切り離されたオフグリッドだけでなく、受電設備で系統とも連系させておき、必要となったら系統の電気も使うマイクログリッド用途でも使えそうである。

「オフグリッド」は慧通信技術工業の登録商標…

ところで、このリリース文をよく読むと、以下のような行が:

「オフグリッド」は慧通信技術工業の商標登録商標です(登録番号:第5748120号)。

「オフグリッド」(off-grid)というのは、一般的な用語だと思っていたのだが、慧通信技術工業さんの登録商標だったというのはまったく知らなかった。 特許ゴロならぬ登録商標ゴロ みたいな阿漕な商売を、同社がやっていないことを祈念するばかりである。

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コメント

  1. 匿名希望=通りすがり(鬼) より:

    商標であっても、一般的なものである場合は、使っても侵害ならない場合がありますよ。
    ただ、商品名に「オフグリット」は使えないかもしれませんね。

    • 匿名希望=通りすがり(鬼)様、

      いつもコメント下さり、ありがとうございます。
      本当に、ご指摘のような方針であることを願うばかりです。