九州電力ショック:傾向と対策(その1)

九州電力による再生可能エネルギー買取の回答保留の件について、改めてその傾向と対策を考察してみたい。

(現時点では、九電だけでなく右に倣えで東北電力、四国電力などにも当てはまると思われるので、そのように読んで頂ければ幸いである。)

当方のブログへのアクセスの検索キーワードを見ていて、今回の買取中止で対象となる範囲についてまだ認識が徹底していないように見受けられた。具体的には、10kW未満の住宅用余剰電力の買取である。

少なくとも現時点の九電管内では、一般家庭用の10kW未満の太陽光発電は、これまでと同様に余剰分の電気を買い取ってもらえ、今回の保留の対象外である。

10kW未満ということで、例えばソーラーパネルを14~15kWと「過積載」にしてパワコンを9.9kW位にしておけば、一月当たり最悪でも5~6万円程度になるだろう。可能であれば、この10kW未満を何カ所か運営すればプチソーラー1基分と同じになる。

もちろん、10kW以上の産業用と異なって一般家庭を前提とした余剰買取は買取期間が10年間だけ、この太陽光発電収入は雑所得となりグリーン投資減税の特典が適用されない、など10kW以上の産業用と比べると投資対象としては見劣りする(そもそも、10kW未満は家庭用という制度設計であり、10kW未満で産業用という展開は想定外だと思われる)。

ただ、九州でとにかく太陽光発電を手掛けたいという向きには、まず10kW級のプチソーラーを屋根か庭、またはどこか他の土地を入手してやってみることは可能である。

この10kW未満、設置後10年経った時点で、余剰買取は確かに終了となる。
「最初の10年間は良いけど、その後どうするの?」と聞かれたらどうするか。

ここで一つ、興味深い主張をご紹介しよう:

今、太陽光発電を設置して売電していたとしても、10kW未満の家庭の太陽光発電からの売電は10年間で終わってしまう。その後の買取価格は著しく下げられてしまう見通しだ。それならば、売電価格が下げられてしまう時点でオフグリッドしてはどうだろうか。

そう考えると「未来の可能性」が見えてくる。
たかが電気に命を掛ける意味などないのだ。

(出典:メールマガジン「田中優の“持続する志”」第370号:「オフグリッドへの道筋」)

10年も先のことは誰にも分からないし、正確な予測などほとんど不可能である。しかも、2016年からはいよいよ我が国でも電力自由化の火ぶたが切って落とされることも決まっている。

とすれば、10年間はとりあえず10kW未満の余剰売電とし、終わった時点でオフグリッド(自家発電で消費)にするか、他の新電力事業者(PPS)への売電、といったことも出来うる可能性があると思うのだ。

また、例えば電気自動車向けに充電器を設置することが、今から10年後なら事業として成立するかもしれない。(現時点では、EV向け充電の採算性はあまりなく、大手企業の環境対応やCSRという色彩が濃い。)

もちろん、本記事を読み10kW未満の太陽光を行うというのは、読者様それぞれの判断であり、自己責任である。計算してみて採算が取れなければやるべきではないし、筆者は考え方や可能性を述べてはいるが、当然その責任を負うことまでは出来ないので、その点だけはご承知おき頂きたい。

筆者の場合、当初西日本に絞って太陽光発電用地を探していたわけだが、ここへ来てあまりそういった贅沢を言っていられなくなってきたので、東日本も視野にいれて太陽光向け土地探しを行うに至っている。もちろん、九州や四国で10kW未満を行う可能性も当然ある。

太陽光発電産業も2年以上が過ぎて「レッドオーシャン」となってきたことは間違いないが、まだ事業機会が完全になくなった訳でもない。諦めずに粘り強く、スピード感や工夫を持ちつつ行動し続ける人だけが、その果実を手にできる、そんな状況にあるとだけは言えると考えている。

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コメント

  1. こんばんは より:

    12~13kwパネルに10kw未満パワコンで売電してて10年後にパワコンを10kw~にするって手もありますね。単価は契約時の10kw~の単価が遡って適用されますから
    ただし現時点ではですけどね

    • bigfield より:

      こんばんは様、

      コメントありがとうございます。確かにご指摘のような可能性や選択肢もありますね。
      他にも現状の連係の問題を回避または超越できるようなアイディアや手法をご存じでしたら、
      是非ご教示頂ければ幸いです。 

      今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 新居建てたい より:

    12kwを搭載した新居を建設中に、九州電力からの発表があり、新居の建築が中断している者です。建築会社は「今色んな方向で対策を練っている」と言っていますが、この前会った際に勧められたプランは「12kwから10kwのソーラーパネルに変更しませんか?」というものでした。
    こちらで書かれている、「12kwから13kwパネルに10kw未満のパワコン」といアイデアですが、そうすると10kw以下は余剰分を売電するのですよね?そうすると残りの2〜3kwはどうなるのですか?本当に素人な質問ですみません。今回の発表までは、建築会社に任せきりで調べもしなかったことを反省しています。出来れば当初の計画通りの12kwを載せたいのですが、そうすると九州電力が買い取ってくれなくなる、、と建築会社の人には言われました。なにかアドバイスがあれば、聞かせて頂けると嬉しいです。お願いします。

  3. bigfield より:

    新居建てたい様、

    念のために、施工業者とも確認して頂くことを推奨いたしますが、私見を述べさせていただきます。

    まず、パネルは減らす必要はないと思います。その理由は、経産省や電力会社が発電所の出力を認識する基準は、ソーラーパネルかパワコンの出力のいずれか低い方となるからです。

    貴殿の場合、パネルを12kW乗せたとしても、パワコンが10kW未満であれば、その太陽光発電システムは10kW未満として認定されるはずです。

    2~3kWがどうなるかというのは、ピークに近い出力で発電するときに、その2~3kWがカットされるだけです。

    一般的に、ソーラー発電ではピークで発電する状態というのは、それほど多くありません。ですので、カットされても年間の実績で見ればそれほどっ収益への影響はないと思われます。

    ということで、結論から言えばパネルで当初の予定通りに12~13kW載せることに問題はありません。

    ただ、その場合、パワコンが10kWを超えないことをご確認下さい。パワコンも12kWなどとしてしまいますと、それは12kWのシステムとなり、現在九州電力では受け付けないカテゴリーに入ってしまうからです。

    パネル12kW、パワコン10kW未満(たとえば9.9kW)であれば、現在の九電の方針では連係を断られることは無い筈です。

    以上、ご参考になれば幸いです。