インリーが西アフリカで太陽光発電のJVを設立

インリーとナメネがガーナに合弁会社を設立

インリーソーラー(Yingli Green Energy:YGE)が、欧州子会社を通じて西アフリカで太陽光発電事業を目的とした合弁会社(JV)を設立すると発表した。

具体的には、インリーソーラーのドイツ現地法人であるYingli Green Energy Europe GmbH(インリー・ヨーロッパ)とNamene Energy International Limited(ナメネエナジー、以下”ナメネ”)が西アフリカにおける再生可能エネルギー事業に特化した合弁会社「Yingli Namene West Africa Limited(インリー・ナメネ・ウェストアフリカ)」を設立したという。

このインリー・ナメネ社は、当面の目標としてガーナおよび周辺諸国で今後数年にわたって100MWの大規模な産業用太陽光発電と50MWの屋根上設置の産業用太陽光発電事業を開発するとしている。インリー・ヨーロッパは、この合弁会社の事業において太陽光発電パネルを供給するということだ。

インリー及びナメネ両社間の合意によると、各社が新しく設立した合弁会社の資本を50%ずつ出資している。インリーのリリース文では、インリー・ナメネ・ウェストアフリカの本社はガーナの首都・アクラに置かれる予定で、最初のメガソーラー・プロジェクトが既に動き始めており、2017年に建設が開始される見込みという。

そのリリース文では、上述の内容の他にインリーCEOやナメネCEOのコメント、インリー・ヨーロッパ首脳のコメントなどと両社の概要が記されている。

ナメネは、なぜインリーを選ぶのか?

筆者の率直な感想は、「不思議だ」、「怪しい」、といったことである。

インリーが、目下の経営危機に直面していて資金繰りに苦しいので、大規模なプロジェクトを血眼になって探していることは想像に難くない。だから、こういった発表を行うということ自体については、完全に想定の範囲内だ。

では何が腑に落ちないかと言うと、この合弁会社設立に至った相手であるナメネ社素性動機である。

このナメネエナジーと言う会社のホームページを調べてみると、本社の所在地はアフリカではなく租税回避地タックスヘイブン)の一つとして知られるセーシェルの首都ビクトリアにあることが分かる。

もちろんタックスヘイブンに設立された会社だから怪しいというだけでは、短絡的に過ぎることは承知している。

だが、アフリカで大規模なメガソーラー設置による太陽光発電事業を行うにしても、世界一となったトリナソーラーや同様に上位で経営も安定しているカナディアン等でなく、なぜ台所が火の車いつ倒産するか分からないインリーをよりによって選ぶのか?

ナメネ社に中国の政府なり政府系機関なりとの繋がりがあるかもと思い、経営陣のプロフィールのページも確認したが、経営陣に中国人は一人も入っておらずアフリカ出身の創業者や欧州出身の人しかいないようだ。

ナメネ社のリスク回避手段とは一体どんなものなのか?

残る可能性は、表に出ていない何らかの取り決めでナメネ社には何らかのリスク回避や事業の安全を担保するための手段が確保されているということだろう。

筆者がナメネ社の社長なら、そういった取り決めでもない限り、危ない橋を渡ってインリーのように倒産する可能性があるようなパネルメーカーを共同事業の提携先に選ぶはずがないからだ。

もちろん、W単価でいくら位かは分からないがソーラーパネルの調達価格をそれなりに低コストに抑えることは当然ながら既定の合意事項で、それプラスαでインリーが絶対に破綻しないというカラクリでも教えてもらったか、または破綻する可能性がある場合でもナメネ社にその影響が及ぶことがないような仕組みが取り決められていると思われる。

この合弁会社設立の裏では、中国共産党の関係者や中国系金融機関などの活躍(暗躍?)があったのかもしれない。

(仮に大したカラクリが無かったとしても、ナメネ社はインリーとの共同事業のために合弁会社を設立することで、もしインリーとの事業がパーになっても、その新しく作ったJVだけを潰して清算、オシマイというスキームはあり。出資元のナメネエナジー本体や、その経営陣は、JVの資本金以上のリスクを負わないということだ。)

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