インリーソーラー、損失が拡大し株価は最安値を更新【第2四半期決算】

前年同期比、市場予測のいずれをも下回り業績悪化

インリーソーラー(Yingli Green Energy/インリーグリーンエナジー:YGE)が、2015年第2四半期の決算を9月8日(火)の株式市場が取引を開始する前に発表した。

その収支は、米国預託株式(ADS)の希薄化後一株当たり0.53ドルの損失。これは16四半期継続した赤字決算で、前年同期の0.26ドルの損失に比べてさらに悪化しており、また市場予測の0.22ドルの損失をも大きく上回る悪い結果となった。

この発表を受けてインリー株は売りが殺到、これまでニューヨーク証券取引所(NYSE)で一株0.7~0.8ドル程で取引されていた同社株価は、0.55ドルまで下落、最低価格を更新した。
8日の終値は0.58ドルで約20%の株価下落となっている:

インリーソーラーの株価(NYSE: 2015/9/8 出典:Yahoo!Finance)

インリーソーラーの株価(NYSE: 2015/9/8 出典:Yahoo!Finance)

先月13日にインリーはNYSEから上場基準を逸脱している旨の通知を受けているが、何らかの抜本的な対応が経営陣によって取られない限り、猶予期間の期限である来年2月の時点で上場廃止が免れられないとみられる。

ニューヨーク証券取引所がインリーソーラーに上場基準を非遵守の旨を通告
【速報】インリーソーラーがNYSEで上場廃止の瀬戸際に インリーソーラー(Yingli Green Energy:YGE)が、株式を上場し...

サンテック、Qセルズに続き、インリーも世界一から倒産した太陽電池メーカーに?

インリーの経営危機に関して当面の焦点は、来月に迫った社債1億5700万ドル(約188億円)の返済期限である。

なんとかして資金繰りを行って社債の返済をクリア出来れば一息つくこともできるが、資金の手当てが出来なければ、サンテック、Qセルズに続いて世界トップを取った太陽電池メーカーの破たんとして3社目の事例となる。

米ブルームバーグの記事によると、インリーの9/4(金)の時点における市場価値(時価総額)は1億3200万ドル(約158億円)。同社の第1四半期の決算報告書によると、同社が持っていた現金が3億9800万ドル(約477億円)、長短期の負債が合わせて23億1000万ドル(約2770億円)だという。

この状況は、誰が見ても明らかな債務超過だ。会社の時価総額(市場価値)を負債がはるかに上回っているということは、端的に言えばこの会社の価値がゼロ以下ということである。

インリーは手元にある動産・不動産を処分して換金し、作って売れるソーラーパネルを売り、なんとか資金を捻出しようとしている訳だが、グローバル市場で太陽光発電パネルは供給過剰気味であり、会社が立て直せるだけの収益を上げるのは容易ではないだろう。

ちなみに筆者の友人・Sさんによると、先の天津で発生した爆発事故などもあり、二週間前の時点で日本では

いま、天津の事故で港湾機能がマヒしていてインリーパネルの入荷はほぼ全部止まってます。爆発でパネルも幾分か吹っ飛んだらしいです。

とのことだった。インリーのソーラーパネルの国内入荷状況など最新状況をご存知の方がいらしたら、コメントなどお寄せ頂ければ幸いである。

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コメント

  1. 匿名希望 より:

    悲しいですが、日本の業者はインリーが倒産したほうが・・・
    うれしいんですよね。

    在庫パネルも安く供給される可能性が高くなりますし、
    売電買取価格が変わらず、パネルを変更できるというメリットがあるので。
    残酷ですが、中国企業からの救済以外で、助かる道はないような・・・。

    JAソーラーのときは、中国政府の景気浮揚策に乗っかって、なんとか回復したみたいですが。

  2. FM より:

    噂ですが、あの爆発の、2㎞ 圏内に、インリーの最新工場が、あったらしいですね、噂の範疇ですが。在庫が置いて在った等の噂も在りますが。

  3. ビッグふぃ~るど より:

    匿名希望さま、

    残念ながら、インリーがパネルをきちんと出荷できないために、そうであればいっそのこと潰れてしまった方が、他メーカー製パネルに大手を振って鞍替えできるという法制度による状況がある以上、そう思う人や企業が増えてしまうのは仕方ないと思います。

    ただ、現在は火の車とはいえ、一時は世界一の量産ソーラーパネルメーカーだった会社が潰れるに任せた場合、大量の失業者など中国経済への影響(「インリーショック」とでも呼ばれるかもしれません)も少なからず発生しますので、政府が指を咥えてみているかも、微妙な気がします。

    いずれにしても、サンテック同様に潰してから他の投資家や事業者に後を任せるか、何らかの救済措置を潰す前に発動するのか、中国政府の今後の対応に注目です。

    FMさま、

    情報ありがとうございます。インリーが工場を天津に持っていたとは知りませんでしたが、製品の出荷などで大きな影響を受け、「泣きっ面に蜂」の状態であることは私も聞いています。

    今後も引き続き、インリーの動向には注視し、また新しい動きがあればお伝えするつもりです。