京セラの太陽光発電パネル:耐久性の秘密とは

京セラの太陽光パネル

京セラの太陽光パネル

(「高レベルな質疑応答(S社主催・太陽光発電セミナー)」の続き)

太陽光発電を真剣に検討している参加者の方々からの質疑とそれに対する応答が大変活発だったため、当初の予定だった2時間は簡単に過ぎてしまう可能性が高いとその時点で察しが付いた。

何しろ、この後にも太陽光パネルのメーカー2社によるプレゼンがまだ残っていたのである。

この時点では、ちょっと時間が勿体無かったかな、と言う気持ちも率直に言って少しあった。この土曜日は久々の晴れで発電所での作業を行えば2時間以上フルに仕事をすることも出来たからだ。

ただ、このセミナーに参加するということでSさんに送り迎えもして頂いている都合上、アシが無ければ途中で退席する事も出来ないので、覚悟を決めて最後までお付き合いさせて頂くことにした。

と言う訳で、白熱した質疑応答の後に、京セラとソーラーフロンティアによる講演もしっかりと聞かせて頂いた。

京セラのプレゼンは想像以上に良かった!

その京セラ社の方によるプレゼンが、想像していた以上に良かったのだ。

仕事柄という事もあると思うが、例えば京セラのプレゼンでは、同社のソーラーパネルの品質の良さの背景として、多結晶シリコン材料の取引先なんていう業界情報まで教えて頂いたりした。

恐らく企業秘密と言うほどの事も無いだろうからここでも記しておくと、京セラのパネルに使っている多結晶シリコンはトクヤマ、三菱マテリアル、独ワッカー(Wacker)、米ヘムロック(Hemlock)などから調達しているという。これらの企業の出荷額はそれぞれの国で1位または2位と断トツの実績であり品質も優れているからということだ。

OEM製造の太陽電池は一貫生産より品質が劣る?

例えば、その多結晶シリコンの純度だが、99.9999…%と9が何個あったか数え損なったのだが、とにかく高純度で高品質ということである。なるほど~。

また、京セラのように太陽電池セル→太陽電池モジュールの一貫生産を行っている企業は数少なく、一般的にはOEM生産などが行われているため、低コスト化はされても品質が良くないそうである。

うーん。確かに、筆者の採用したQセルズのパネルはOEMでハンファ社が製造していると言う話を聞いていた(その後、Qセルズが経営難に陥り、ハンファ社がQセルズを買収)。

この辺、一貫生産だから高品質、OEMだから品質が劣る、と必ずしも言えるかどうかはあると思うが、OEMで太陽電池を長い距離移動したりすれば、割れたり傷が入ったりする確率は確かに上がるだろう。京セラの主張にも一理ありそうだ。

「3本バスバー電極」は、もうそんなに威張るほどでも…

そして、この日の講演でも触れられるべくして触れられたのが、最近も京セラによるハンファQセルズの提訴で物議をかもした、特許技術の「3本バスバー電極」。これが優れているから発電量が多く云々…との話だが、これについては、流石に今更ちょっとww…というか、もうそんなに威張るほどのことじゃあ…と言う気はした。

ハンファQセルズは、この特許訴訟で一歩も引かずに京セラと法廷で闘うつもりだし、京セラとしても一度振り上げた拳を下ろすのはソーラーパネルの老舗メーカーの一社として中々プライドが許さないだろう。何らかの進展があり、判決なり何かの結果が出てくるのはまだ1~2年先かと思うが、引き続き留意していたい。

PID試験の結果や封止剤のEVAなどの詳細…

さらに、京セラさんの技術の優秀さについての説明は続く。

筆者もソーラーパネル選びでは重視した、独フラウンホーファー協会によるPID耐性の試験結果についての説明や、それだけの耐久性・信頼性がどのような技術で実現されているか、といったかなり細かい話を初めて当のメーカーの方より聞けたのは、やはり貴重な体験であった。

少々割愛するが、ここでのキーワードは封止剤のEVA(エチレンビニルアセテート)。

これを活用することで、ソーラーパネルの電極やセルにおける酸化や劣化、それによるマイクロクラックなどが20年経っても生じない、だから発電効率があまり低下しないということである。多分、この辺も特許で固めてあるのだと思う。

(続く)

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