田淵電機の25kW三相パワコン、SiCで高効率化

田淵電機ブース@CEATEC JAPAN 2014

【CEATEC JAPAN 2014】ソニー不在も田淵電機は出展

田淵電機は、家庭用や低圧連系の産業用太陽光発電ではお馴染みのパワコンメーカーである。そんな訳で、今年のCEATECでも同社はブース出展をしており、業績の好調さをうかがわせた。

電機業界の方ならご存知かと思うが、業績が悪化していたソニーは今年のCEATECでは出展を見送っている。これは、日本を代表する電機大手のソニーとしては極めて異例である。

その意味で、企業規模(売上高や社員数など)で二ケタほど小さいながら、近年欠かさず出展している田淵電機は、関西を拠点とする企業の強かさとでもいおうか、とにかく逞しいと感じるのだ。

一つには、一昨年から施行された固定価格買取制度によってパワコンの受注が施行前と比べて大幅に増えたため、田淵電機の業績が良いのは当然とも言えるのだが。

ただ、九州電力ショックを受けて、2000円を超えるほどの勢いだった田淵電機の株価は急落、現在は1000円を割り込み、865円まで下落している。固定価格買取制度の先行き不透明さが無くならない限り、田淵電機の株価も下値を探る動きが続くかもしれない。監督官庁である経産省の責任は極めて重大だ。

EneTelusパワコンもSiCを採用、変換効率は97.3%

ともかく、同社のブースで注目すべきは、やはりパワコンである。
今回の展示で目新しかったことは、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を採用した高効率の「EneTelus(エネテラス)」パワコンだ。

既に、オムロンや安川電機がSiCやGaN(窒化ガリウム)といった高効率なパワー半導体を採用したパワコンを発表していたが、田淵電機も当然SiC化のトレンドに乗っている。

(関連記事: SiC/GaNパワコンが競って出展【PV Japan 2014特集】

ブースに出展していたのは、低圧よりも高圧、特にメガソーラー向けで従来の大容量・一括出力のパワコンの代案となる三相25kWの製品。SiC採用により、変換効率は97.3%(最大97.8%)と同社の従来品よりも特性が改善されている。

エネテラス・メガ・バリュー・システム(三相25kWパワコン+マスターボックス)

ファンレス化により低コスト化、故障も低減か

このパワコンの売りは、従来とは逆転の発想にすることで、高圧連系の産業用太陽光発電システムを低コスト化できることのようだ。つまり、従来なら、

太陽光発電モジュール→接続箱→集電箱→パワコン→キュービクル→高圧系統

となる所を、

太陽光発電モジュール→パワコン→集電箱→キュービクル→高圧系統

とすることで、接続箱を不要とし配線の重量も減らせるという。SiC採用によって高温下での動作が出来るためファンレス構造となっており、変換効率が良いだけでなくファン式と比較して故障も減るなど信頼性も改善されたと思われる。SiCパワー素子自体はシリコンのパワー素子よりコストが高いので、田淵のパワコンとしては価格が若干高いかもしれない。

以前、SiCパワコンを取材した際にもSiC/GaNといった次世代材料を使用したパワコンが市場に出回る時代がこんなに早く来るとは…と思ったのだが、もし300kW以上のミドルソーラー発電所を作るのなら、こういったSiCパワコンを筆者も是非採用してみたい(基本的に、新し物好きなのだw)。

50kW未満などの低圧でも使えるかなと思ったのだが、パンフレットの仕様を見ると出力が440Vで高圧連係向け専用となっており、残念ながら50kW未満の低圧連係の太陽光発電所では使えない。

なお、このエネテラスのSiC採用パワコン、実は発表は1年も前で既に販売もされている訳だが、筆者が疎く気が付いていなかっただけのようだ。。。

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コメント

  1. 蛇野 より:

    おはようございます。
    このパワコンはループが採用していますね。
    冷却ファンが無いですが、どうなんでしょうか?
    発電にともなって熱が出るので冷却をしないとまずいのではないかと思います。
    高熱になった場合、機器の保護のため発電抑制をして対応をするのでしょうか?
    真夏など動作条件を維持出来ないように思うのですが?
    この機種に限らず、オムロンのパワコンもファンレスになっています。

  2. bigfield より:

    蛇野様、

    いつもコメントありがとうございます。回答が遅れ失礼しました。

    冷却ファンが無いのは、SiCパワー素子の採用により、高温での回路動作が可能となったためと思われます。

    従来のシリコンによるMOSFETやIGBTのパワー素子では、動作温度の上限は125℃程度ですが、SiCでは200℃でも継続して動作可能です。

    参考: https://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/technology/dtr/v16/files/13.pdf
    (ハイブリッド車やEVでも、IGBTがSiCパワー素子に徐々に置き換えられます。)

    したがって、長期の稼働中に壊れやすい冷却ファンを無くしても、自然冷却で大丈夫ということです。

    当然、稼働中の温度上昇を夏冬の周囲温度を考慮して設計、品質保証しているはずです。オムロンや安川のSiC/GaN採用機種も同様と思います。

  3. 蛇野 より:

    こんばんは。
    機械の動作範囲があって
    http://www.enetelus.jp/products/epu_250.html
    こちらみると40度以上では、抑制がかかるようになっております。
    高熱を逃すには強制冷却が必要だと私は思うのですが?

  4. bigfield より:

    蛇野様、

    仕様のページを確認しましたが、ここで問題となっている40℃は使用環境温度なので、パワー素子自体の発熱による温度とは別なのではないでしょうか。

    パワコンの設計によっては、ファンレスでも自然冷却で十分な冷却も得られるのでは。

    といっても、定かではないので、田淵電機に今度確認してみたいと思います。