いまどきの「PV Expo 2014」事情

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昨日まで東京ビッグサイトで行われていた「PV Expo 2014」、結局筆者は仕事の都合で誠に残念ながら行くことができなかったのだが、各ニュース、見てきた方が書いたブログ記事、見てきた方に聞いた話などから分かったこと、感じたことなどまとめておきたい。

多数の太陽光発電メーカーが多用な技術を出展

まずは「環境カウンセラーの独り言」ブログの「2322 再エネ展示会(PV)」という記事より。太陽光発電モジュール・メーカーの数がとにかく多いこと、ドイツや中国など外資系メーカーの出展が目立ったことなど、実際に目の当たりにした感想を記されている。

企業の多さについて「雨後の竹の子」と言う表現が、こういう場合の定番とはいえ、会場の状況を如実に語っているのだろう。

また、約20%で頭打ちとなりつつあるシリコン系太陽電池の変換効率に対して、ガリウムやヒ素といった「ヤバい」原料のドーピングが一つの方向性ながらも、それは原材料の後処理やリサイクルを考えると「禁じ手」であるとのご指摘。

そして、その代替案となりうるソーラーパネル傾斜角可変、さらには傾斜角の調整を自動で行う追尾式の架台やシステムが今後さらに期待されると言う展望。

今後の方向性として、低コスト・低価格の太陽光発電モジュールと傾斜角度が可動式の架台の組み合わせによって面積当たり最大発電量とそれによる収益の最大化を図るという点については、筆者も激しく同意するところである。

FIT買取価格の引き下げが低コスト化を促進

低コスト化については、太陽光発電パネルや架台、パワコンなどの部材だけでなく、施工費についても同様で、今後は施工コストをどれだけ低減可能かが特に重要になる。

言うまでもないが、その最も大きな理由は、固定価格買取制度における買取価格の引き下げにある。

このブログでも既に書いたように、設備認定が2月までに申請されたものに限り、今年度の買い取り価格である36円+消費税5%、つまり37.8円/kWhの買い取り価格で設備を設置して売電収益が確保できるという状況だった。

今月以降の申請では、恐らくキロワット時あたりで34円下手をすると32円+消費税8%となる。(消費税アップが、条件によってはプラスになり得る局面もあるのが、太陽光発電のもう一つのメリットなのだが、それについては改めて記したい。)

よって、とにかく昨日(2/28)までに申請が受理された設備認定に関しては、37.8円で売電が20年間保証される訳だが、今月以降に設備認定が受理される発電所に対しては収益性や利回りが下がる。

このため、これまでと同様の収益性を確保するためには、上述のように部材だけでなく施工のコストにも当然ながら下押し圧力がかかることになる訳だ。

このような状況より、太陽光発電ムラでは “Do it Yourself (DIY)”、あるいは全てを一人では出来ないので、”Do it Together (DIT)”といったコンセプトを提唱している。

今後、低コストな太陽光発電キットを活用し、何名かが集まってワイワイやりながら太陽光発電システムを作る、そういったケースが増えてくるのかもしれない。

外資系がけん引する再エネの国際化

最後に、もう一つはグローバル化、国際化である。

上述の通り、太陽光発電パネルやシステムのメーカー、ベンダーに関しては国際化が著しい訳だが、この流れは当然システムを設置する事業者や関連会社側でも同様な訳である。

3年間の優遇期間はあと1年で終了とは言え、その1年は駆け込みで少しでも多く収益を上げたい、または節税を行いたい企業や事業者にとっては十分に長い時間だ。

それを狙ってか、今回のPV Expoでは多くの外国人が来日し、東京ビッグサイトに足を運んだのかもしれない(あるいは、自国で設置する発電所の部材を調達するためかもしれないが)。

今回PV Expoを見てきた筆者の知人いわく「『ゆりかもめ』に乗ったら、英語やら中国語やらがバンバン飛び交ってて凄かった。ここは日本じゃないのかと思ったくらい」だそうである。

まだ調査中だが、例えばアジアの国でも固定価格買取制度を導入して太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入を推進しているところが増えつつある。 可能なら、そういった別の国で太陽光発電を行ってみるのも面白いのではないだろうか。

こういう所も、今後またコンテンツとしてご紹介していきたいと考えている。

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