太陽光発電を今後”過積載”にすべき理由

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過積載

FIT: 太陽光の買取価格は27円/kWhに引き下げ

産業用太陽光発電の27年度(実質的には26年度の受付は終了しているので既に現時点からだが)の買取価格は、まず4月に29円/kWhに、その3ヶ月後の7月には27円/kWhに引き下げられる。

そこで、経済産業省の調達価格等算定委員会による発表資料を今一度確認してみた。

 → 平成27年度調達価格及び調達期間に関する意見

この文書を読んでいて興味深い箇所に気が付いたので、ご紹介しておきたい。

(なお、筆者としては現時点では太陽光発電以外の再生可能エネルギーへの事業投資を直ちに行うつもりは今のところない。仕込み中の32円案件が消化できていないことがその主な理由だ。したがって、太陽光以外の部分にはほとんど目を通していない。)

10kW以上の産業用太陽光ということで、この資料の6ページ以降に目を通してみる。

設備投資の平均額は、32.2万円/kWということ(表4)などが読み取れる訳だが、興味深いのは7ページの次の文言である。以下、その部分をそのまま引用する:

■ また、昨年度に引き続き、運転開始実績のデータを確認すると、設備利用率が、10kW以上全体では、昨年度の13.0%から14.0%に上昇していることが確認された(うち1,000kW以上では、昨年度の13.6%から15.0%に上昇)。

その背景としては、パネルの設置容量や設置角度、設置方位を十分に計算するなど、事業を効率的に実施する案件が増えたことが考えられ、中でもパネルの設置容量をパワーコンディショナーの容量よりも大きくすることで、設備利用率を上げるケースが常態化しつつあることが見てとれることから、平成27年度の調達価格の算定に当たっては、14%を想定値として採用することとした。

(太字による強調は筆者によるもの)

経産省も”過積載”を認識、買取価格の算定根拠に

何が言いたいかというと、我々太陽光発電の事業者が俗にいう「過積載」という用語こそ使われてはいないものの、監督官庁(正確には調達価格等算定委員会)自らが過積載の存在を認識し、しかも過積載がデファクト標準となりつつあることを新しい買取価格の算定根拠としているのだ。

つまり、今後は過積載にしないと買取価格と投資効率の点で損になることを経産省側も織り込んでいる訳である。1月中に数件の駆け込み申請を行った筆者も、認定済みの太陽光案件は言うまでもなくすべて過積載採用である。(なお、過積載とはいえ、太陽光発電として過電流となってシステムが壊れたりしないよう、ソーラーパネルとパワコンの最大定格の仕様に沿った検討と確認は必要であるので、念のため。)

この件、既に「過積載番長」かどなたかが指摘済みだったような気もしたのだが、筆者自身で経産省の資料を確認してみて、やはりこのことは重要だと感じたので、今さらながら本ブログでもお伝えしようとした次第。

photo credit: April 28, 2010 – Maximizing Truck Use via photopin (license)

コメント

  1. 農民 より:

    こんばんば。
    一昔までは逆過積載(パワコンの容量のほうが多い)の方が主流だったのに~随分と変わりましたね。
    このブログ見て48円の時設置した住宅用太陽光発電増設しようかなーって思っちゃいました。後5年ぐらいしか期間がないですが、、、

    過積載の設置、東西屋根みたいに東西面に設置すればピークカットもなく過積載出来るような気がします、しかもパネルの温度もピークを避けられれ一石二鳥の様な気がするんですよね。
    (余談ですがビニールハウス建てる場合、南北に長く建てます)
    過積載番長さんはブログとかやってるんですか?差し支えなければ教えてもらえませんか?

  2. あやぱぱ より:

    東西配置で過積載は私も散々考えましたが、そのままではうまくいかないようです。発電量がパネルの出力の単純な足し合わせであれば、確かに1日中ピークカット抑えて発電できます。でも現実は発電の少ないパネルに足を引っ張られてしまうので、東西の悪いとこ取りになってしまうからです。この点については自分の整理も含めて、次のブログネタにしてみようと思います。

  3. bigfield より:

    あやぱぱさま、

    レスポンスありがとうございます。
    貴殿ブログの記事の方、参考にさせて頂きたいと思います。