太陽光発電ムラの使命とは

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現在の太陽光発電の市場規模拡大はあと2年は続く。

例えば、矢野経済研究所が発表した「国内太陽光発電システム市場に関する調査結果2013」では、公共・産業用システム市場が急拡大し2012年度は初めて1兆円の大台を超えたと述べている。しかし、問題はその後だ。

この調査結果を見る前にも、太陽王子は太陽光発電システム市場のブームがあと2年は続くが、その先は現行の優遇制度が無くなれば市場の拡大は終わるという危惧を筆者に伝えてくれていた。

太陽光発電ムラが賛同者や仲間を増やす理由も、現行と同様に太陽光発電を普及させる制度や体制が3年限りが終わってしまわないように、当局に強く働き掛けられるような勢力を作りたいという気持ちからである。

もちろん、その気持ちは固定価格買取制度などにおる恩恵を受けたいという実利的な理由からだけではない。

原発のように危険で時代遅れで、しかも格差や差別を前提としたエネルギーではなく、太陽光発電を始めとした再生可能エネルギー技術や、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、コージェネレーションなどの省エネルギー技術、リチウムイオン電池などの畜エネルギー技術を総動員し「エネルギーシフト」を達成したいからである。

固定価格買取制度や税制での優遇制度が一度にすべて終了してしまえば太陽光発電システムの市場がどうなってしまうかは、欧州のスペインやドイツの状況を見れば分かる。

ドイツは既に太陽光発電による電力のコストが、系統電力のコストとあまり変わらない状態、つまりグリッドパリティをほぼ達成しているようであり、これは固定価格買取制度によって太陽光発電のコスト下落が進んだ結果と見るもできるだろう。

だから、ドイツの優遇は終わるべくして終わったと言う面もあるが、日本ではあと2年でグリッドパリティに至るかが問題だ。筆者はあと2年ではまだ難しいのではないかと感じている。せめて、あと5年ほど、またはグリッドパリティがほぼ達成できたと客観的に認められるまでは、現行かそれに準じた制度を継続すべきではないだろうか。

コメント

  1. 農民 より:

    20年後にストライキ(笑)!

  2. bigfield より:

    いつもコメントありがとうございます。m(_ _)m

    20年後は私はほぼリタイヤしている年齢ですが、年金制度がそれまで維持されているか疑問なので、太陽光発電を含めて個人年金的な収入の流れを何とかして準備しておきたいと思います。

    太陽光発電ムラとしての働きかけ、ストライキやデモをやるなら、現行制度の存続か廃止かが決まるあと2年後までではないでしょうか。

    それまでに、太陽電池や施工費用がもっと下落してグリッドパリティが実現すれば、その必要もなくなるかもしれませんが、2年ではやはり少し厳しいかと。

    5年先なら、可能性が無くも無いのではと感じています。

    10年先(2023年)なら、かなりの確率で日本でもグリッドパリティが実現し、電気はどこかの電力会社(この頃までには電力自由化が実現と想定)から買うか、自分の太陽光パネルや燃料電池で創るか、を選べるようになっていると思います。

  3. kiyora より:

    始めまして!
    「太陽光発電ムラ」に興味を持ちまして、コメントさせていただきました。

    私自身も再生可能エネルギーの将来に期待を抱いており、
    何か自分にできることがあるのであれば、などと考えておりますが、そもそも全量売電で収益を得ながら「環境貢献」として事業を紹介している企業に疑問を持っている面もあり、複雑な心境です。

    少し調べてみると、これは「環境価値」に関係する議題で、固定価格買取制度においては全量の発電分の「環境価値」は事業者には残らず、賦課金を支払う消費者に帰属するものだと分かりました。

    そこで、好奇心からお聞きしたいのですが、こちらの「太陽光発電ムラ」ではこの環境価値について、どういったコンセンサスのもと、活動なさっているのでしょうか?

    ちなみに、グリッドパリティは私がコメントしている時点では達成しているみたいですね。
    http://standard-project.net/solar/words/grid-parity.html

  4. bigfield より:

    kiyoraさま、

    初めまして、コメントどうもありがとうございます。
    「環境価値」に関する国の解釈は、ご指摘の通りですね。

    太陽光発電ムラでそれに対して何らかのコンセンサスがあるのかということですが、私としてははっきりと認識はしていません。

    雑駁には、環境にプラスになると言う認識ではありますが。これに関しては、太陽光発電ムラ・発起人の「太陽王子」に直接確認して欲しいと思いますので、コメントを頂くよう当方より依頼してみます。

    私は、彼が言いだしっぺとなった「太陽光発電ムラ」の趣旨に賛同する所が多かったので、ムラの一員となって活動しているという状況です。