ソーラーフロンティア、買取価格27円でも攻め続けられる理由

ソーラーフロンティアと米ゴールドマン・サックス(GS)系の発電事業者であるジャパン・リニューアブルエナジー(JRE:本社・東京都港区)が、メガソーラーの施工コストを約30%削減するというニュースを日経電子版が報じた(記事下のリンク参照)。

FITの買取価格は27円(+消費税)、グリーン投資減税も終了(ただし、現在はまだそれとほぼ同じメリットの似て非なる「生産性向上設備投資促進税制」というスキームで一括償却も可能な模様)と昨日も記したように、政府は「太陽光バブル」の抑え込みに躍起となっている。

(注:現実には、まだまだ太陽光は増やせるはずだが、原発を推進したくて仕方がない現政権と資エネ庁がいては…)

そんな中、このニュースを見る限り太陽王子や太陽光発電ムラ関係者がまだ主張するように、コストさえ下げることができればまだ太陽光発電で稼ぐ余地があると言えそうだ。

買取価格や税制優遇のいずれでももう新規に設備投資をしてプロジェクトを立ち上げる余地が無いほど収益性が低下してしまったのであれば、利に敏いGSなどの国際金融資本が日本国内の太陽光発電には見向きもしなくなるだろうからだ。

ソーラーフロンティアのパネルを採用したメガソーラー

ソーラーフロンティアのパネルを採用したメガソーラー(岡山県津山市)

米GS系のJREがソーラーフロンティアを選ぶ理由は?

では米系資本・国際金融グループのGSがソーラーフロンティアを選んだ理由は何か。

まず、CIS薄膜化合物系でほぼ唯一商業的に成功したソーラーフロンティアが、低価格(コスト)化で中国勢ともなんとか張り合えているというのは一つ大きな要因だろう。

日経の記事でも30%のコストダウンと指摘している。

FITで40円~36円/kWhの時代には、メガソーラーの部材込み施工コストがkW単価で30万円/kWでも十分なリターンがあったのに対して、さすがに27円/kWhとなるとそれでは無理。

だが、FIT価格つまり収益性が30%下がった分コストも30%以上下げることができれば、理屈の上では収益性は変わらないからだ。実際、40円×0.7=28円は27円とほぼ同じくらいだし、実際には27円に消費税8%(4月以降、予定通り税率が上がれば10%)を加えると29.16円(同29.7円)で28円よりも収益性があがることになる。

日経の記事では、300MW分のメガソーラーを約20万円/kWで建設するとのことで、これで十分な収益性を見込めるということなのだろう。

発電量や変換効率の向上、海外での採用実績も後押しか

他の理由としては、純粋な日の丸ソーラーパネルと異なり英蘭ロイヤルダッチシェル系列のソーラーパネル製造会社であることから、米系の金融会社との相性が良いといった背景もあるのかもしれない。

また、ソーラーフロンティアは日系の太陽光パネル・メーカーとしてはほぼ唯一、米国などでも積極果敢に産業用メガソーラーのプロジェクト向けにもソーラーパネルを出荷しているため、そういった実績も評価されているのだろう。

「内弁慶」のパナや京セラ、シャープにはやはり中々マネの出来ないことか、と感じる。

もちろん、ソーラーフロンティアのパネルは価格だけでなく発電量などで評判が良いことや、変換効率も今後の向上が見込まれることなども、今後5年間に30万kW(300MW)分の再エネ投資を行ううえでプラス材料になったことが想像できる。

何度も書いたように、筆者も2号基では170WのSF170-Sを採用したが、3号基以降はすべてソーラーワールドで設備認定を取ってしまい変更も出来ない。だが、もし8号基の可能性があれば、発電量とコスパの良いソーラーフロンティアでもまた検討したいところである。

スポンサーリンク

コメント

  1. 匿名希望=通りすがり(鬼) より:

    普通に海外向けの値段を日本でも適用するってだけです。
    逆にいえば、今まで日本で如何にSFが○ったくりしてたかですね。

    最初から、量産すれば、シリコン系に比べて値段が下がるのがウリにしてたのに
    高かったですからね。あとはセレンの後処理の問題です。
    これは、SFの回収スキームのみしか予定されていないので、SFになにかがあったときにはリスクはユーザ持ちです。
    でもこのリスクを説明する業者は少ないですけどね。

    • ビッグふぃ~るど より:

      匿名希望=通りすがり(鬼)さま、

      コメントおよび情報どうもありがとうございます。なるほどですね。
      SFに何かあったら困るので、今後もSFのヨイシ…じゃなくて、エールを送る記事を書こうと思います。あ、客として必要ならもちろん注文も付けますが。。。

  2. 蛇野 より:

    CIS、シリコンの発電所お持ちですが、実際の発電量を比較してみてどうでしょうか?
    コストやいろいろな条件を比較してみてどちらが優れているのでしょうか?

    • びっぐフィールド より:

      蛇野さま、

      いつもコメントありがとうございます。
      CISとSi多結晶、まだあまり比較をまともに行ったことがありませんが、既に2基の体制となって数か月以上経っていますので、発電量のデータ整理なども行ってみたいと思います。

      ただ、設置場所が同じ岡山とはいえ少々異なり、恐らくCISの方が日照条件でも優っていますし、またkW数も違いますので、その辺をどう正規化するかが相当に難しいように思います。

      少々お時間を頂ければありがたいですが、ある程度の分析なり整理が出来たら、本ブログにてもお伝えしたいと思います。

      それまで、首を長くしてお待ち頂ければ…