シャープが太陽光事業を継続…って、どうやって黒字化するの?

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シャープが、太陽光事業を継続すると発表した。
以下、メディアの報道を2点ほど引用する。

シャープの高橋興三社長と次期社長に内定している台湾の鴻海精密工業の戴正呉副総裁は23日、従業員向けに文書を出し、太陽電池事業を継続する方針を明らかにしました。<中略>

鴻海の郭台銘会長は、幾度となく太陽電池事業の売却をほのめかしていましたが、今回の文書では「事業再建に向け、黒字化の手応えを得た」などと継続が強調されています。<以下略>
(出所:関西ニュース ABC朝日放送 5/24 12:39)

不振の太陽光パネル事業について、「出資手続き完了後、鴻海の持つ生産技術と全てのリソースを注ぎ込み、競争力強化にまい進する」と言及し、今後も事業を継続する方針を表明した。声明は、シャープの次期社長に内定している鴻海の戴正呉副総裁との連名で出された。(出所:時事通信 5/25 20時配信)

率直な所、筆者としてはシャープで何がどうなっているのか、今いち良く分からない。

これまでに、何らかの形で太陽電池の製造からは撤退するのではないかという予想を記していたのだが、シナリオとして最も可能性が低いと思っていた、今まで通りのままでの事業継続になるような表現である。製造部門も売却など一切しない感じだ。

シャープが太陽電池で黒字化する秘策はあるのか?

ABCニュースの報道だと、「黒字化の手応えを得た」とのことなのだが、これまでずっと赤字で苦しんできたのに、人は切らない、事業の売却もしない、でどうしたら黒字化が見えるのか、それが筆者には分からない。

もちろん、外野の人間からは見えない、とっておきの秘策が何かあるのかもしれないが、だったらホンハイの傘下入りするまでもったいぶる必要などなかったはずだ。

あるいは、従来通りの継続とみせかけて、またどこかの時点で大どんでん返しで、いきなり事業売却になったりとか…

最近、シャープは化合物系の太陽電池で世界最高の変換効率31.17%を達成と発表していたが、この電池はまだ研究開発段階で、すぐに市場に出せるような代物ではないはず。

シャープが開発した、変換効率31.17%の化合物系太陽電池

シャープが開発した、変換効率31.17%の化合物系太陽電池(出典:シャープ)

とすれば、今ある手駒は「BlackSolar(ブラックソーラー)」など既に市販の商品だけ。
競争が激甚を極める住宅用市場で、それが突然今までよりも多く売れ始める訳もないと思っているのだが。

と言う訳で、シャープに関しては状況がまったくのである。

読者諸兄で何かオモシロい情報やタレコミなどお持ちの方がいらしたら、是非コメントでお寄せ頂ければ幸いである。

コメント

  1. 匿名希望=通りすがり(鬼) より:

    NEDO実証実験事業でヘテロ接合型の高効率タイプも国の金で
    研究できますからね。
    量産できて価格を下げれば中国、アフリカなどの大市場がありますから。
    ホンハイはなにか情報をつかんでいるんでしょうね。

    • 美具ふぃーるど より:

      匿名希望=通りすがり(鬼)さま、

      なるほど、NEDO実証関係の価値ですか。

      それ、ホンハイの交渉中のデューディリではゴウ会長は気付いてなかったんですかね(謎)。

      メディアの分析だと、やはりゼロエネ住宅とか、HEMSとかそういった物との合わせ技で太陽光を活かすのだろうといった推測がなされていて、それは妥当に思えるんですが、それだけで本当に赤字を一掃できるほどの収益を上げられるのか?というのが分からない訳です。

      住宅用の市場も、マジで競争が激化するばかりですし。

      一体、どんな論法や説得材料で剛腕・郭会長を説き伏せることが出来たのか…

      この辺、やはり内部の事情を知らないと、全然何がどうなっているのか分からないですし、興味をそそられます。