シャープ、福島と栃木でメガソーラーの運転開始

シャープが福島県と栃木県に建設していたメガソーラー「南相馬小高(みなみそうまおだか)太陽光発電所」と「シャープ塩谷(しおや)第二太陽光発電所」が、12月28日より運転を開始した。

南相馬小高(みなみそうまおだか)太陽光発電所

南相馬小高(みなみそうまおだか)太陽光発電所 (出典:シャープ 報道発表)

平均的な規模のメガソーラー、収益は「焼け石に水」か

これらのメガソーラーは、出力がそれぞれ2.7MW(福島県南相馬)、1.6MW(栃木県塩谷郡)である。先にお伝えした北海道苫小牧市の「苫東の森太陽光発電所」に比べると1/10未満と、ごく一般的なメガソーラーの規模といえる。

年間予測発電量は、それぞれ約291万kWh(南相馬)と171万kWh(塩谷郡)で、この発電量は一般的な家庭ではいずれも数百世帯分の消費電力をまかなえる程度である。

これらのメガソーラー事業は、シャープと芙蓉総合リースの合弁会社である「合同会社クリスタル・クリア・ソーラー」が行う。実質的には、発電所の運営や保守・管理は、シャープやそのグループ会社の社員が(出向するなどして)行うことになると思われる。

この会社の出資比率は芙蓉総合リースが75%、シャープが25%となっており、売電収益から必要経費などを差し引いた利益もおそらく同様の比率で分配されると思われる。ただ、シャープとしては自社で製造した太陽光パネルをこのメガソーラーが採用しているため、25%でも不満はないというか、あまり贅沢は言えないところだろう。

メガソーラーの規模や工期などから推測すると、このメガソーラーは恐らく40円/kWhの案件だと思われる。したがって、両メガソーラーの年間予測発電量から算出される年間売電収益は、

(2,910,000+1,710,000)kWh × 40円/kWh = 184,800,000円

つまり約1億8500万円となる。この25%は約4600万円…経営再建中のシャープにとっては「焼け石に水」という状況に近いと思われるが、貴重な収益であることには間違いない。

液晶事業の奪い合い…太陽電池や太陽光パネルは?

そのシャープ、やはり太陽光発電や太陽電池よりも経営再建のニュースや噂の方が飛び交ってしまうのは仕方のないところだが、液晶事業の行方について次のようなニュースが出ていた:

筆者からすると、これ以上傷口が広がらない内にとっととシャープ経営再建を担うことができ、かつ日本の国益を損なわない企業なり組織なりに任せられないのかと思うのだが、「液晶事業の奪い合い」とのことで、「船頭多くして船、山に上る」といった様相を呈してきているように感じる。

台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は確かに日本以外の国だが、台湾を敵に回さなければ良いだけと言う気もする。

この件を見ていて思い出すのは、半導体業界のエルピーダメモリの先例。エルピーダは、もともと日本電気(NEC)と日立製作所のメモリー(特にDRAM)半導体事業を統合して生まれた会社だった。

この会社は、外資系の日本テキサス・インスツルメンツで管理職として経験を積んだ坂本幸雄氏が社長の時代にはかなり好調だったのだが、残念ながら世界金融危機などで業績が悪化、最終的に競合だった米マイクロン・テクノロジに買収されてしまった。

日本では、ベンチャー企業の経営や今回のように業績が悪化した大企業の経営再建などに手腕を発揮できるプロの経営者の層が薄い。このため、寄り合い所帯でなんとかしようとしても、結局上手く行かずに外資系の競合会社や投資ファンドなどに買収されて、日本固有の技術も失われてしまうことが多い。

だったら、最初から日本の国益が損なわれないようにホンハイと交渉するなりして、ホンハイに経営再建を任せる方がよほどマシじゃないかと思うのだ。

もちろん、ホンハイの郭会長だって海千山千だろうから、天真爛漫な交渉では国益もへったくれもあったものじゃないとは思うが、産業革新機構や銀行団の方にも既にハゲタカの息が掛かっていることは以前にも触れた通りだ。

とにかく、太陽電池も含めてシャープにまだ残っている技術や知的財産、人材の価値が日本から失われないように願いたいものである。

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