住宅用太陽光に”再挑戦”のLooop、次の狙いは「第3者所有モデル」か

Looopが住宅用太陽光発電システムのパッケージ商品「Looop Home」を新発売した。

kW単価は19万円からと、これまでの住宅用太陽光発電システムの価格帯から考えるとかなり値頃感があるように思う。もちろん、この価格が最安ということなので、実際には20万円台となってしまうことも多いのかもしれないし、太陽光発電システムの価格で最も高いと言われる工事費が別途必要ではある。

それでも住宅用としては、「Looop Home」が相当に低価格な商品であることは確かだろう。
もうそろそろ時効かなと思うので、今回の件に絡んで少し裏話的なことも書いてみたい。

1年前にCIGSで住宅用に参入も、パネル供給メーカーが太陽電池事業から突如撤退…

Looop社の住宅用太陽光発電システムと言えば、実は1年程前にも発売されたことがある。
その時は、今回のような単結晶・多結晶シリコンのソーラーパネルではなく、当時まだ扱いがあった、CIGS化合物系の薄膜太陽電池パネルだった。

ちなみに、このCIGS太陽光パネルは住宅用だけでなく、産業用でLooopが得意とする低圧連系の62kW太陽光発電キットでも採用され販売されていた。

Looopの製品とサービスに関する追加情報
昨日の記事で書いた内容に訂正及び追加の情報があるので、取り急ぎお伝えしておきたい。まず、「みえるーぷ」はオムロンのパワコンにも対応可...

ところが、そのCIGS系太陽電池を製造していた台湾の某メーカーが、Looopの新製品発表からわずか数か月しか経っていないタイミングで太陽電池事業から撤退するという方針を突然発表したのだ。

これにはLooopの中村社長をはじめとした関係者一同にとっては、まさに「寝耳に水」の話で相当に困惑し焦りまくったに違いない(その後、中村社長とお会いした際にこの話が出た時は、苦笑いしていたが…)。

しかし、とにかく商品供給元の製造メーカーが太陽電池事業から撤退するという経営方針を決定してしまい、LooopもそのCIGS太陽光パネルに基づいていた商品やパッケージはすべて販売を(密かに)中止するしかなかったのである。

ということで、この件では相当に痛い目に遭ったとはいえ、立ち直りも早いようだ。
そういったところが、若くて元気の良いベンチャー企業の良い点だろうと思う。

わずか1年で、住宅用の市場に再チャレンジ、今回のパッケージでは両面ガラスを採用し耐久性・信頼性が高そうな「Nextough(ネクスタフ)」を太陽光パネルに採用している。このパネルはもちろん、低圧産業用での太陽光発電キットとしても扱っている。

当然、前回のような失敗を繰り返さなくて済むよう、供給元メーカーの体制確認や万一の際のバックアップ計画なども準備しているのだろうと想像している。

次にLooopが狙うのは、「第3者所有モデル」で日本版ソーラーシティ?

もう一つ、Looopの今後のことも予想してみたい。

最近、市場の伸びが頭打ちとなりつつある産業用から住宅用、さらには電力自由化に照準を合わせた電力小売り事業と、B2BからB2Cに注力する度合いを高めているLooop社だが、もう一つ同社が参入を虎視眈々と狙っているのでは、と筆者が推測する市場セグメントがある。

米国ではSolarCity(ソーラーシティ)が代表的だが、ソーラー業界で「第3者所有モデル」と呼ばれる形態の太陽光発電をサービスとして提供する事業がそれだ。

太陽光発電を始めたいがおカネが無いという消費者側から見ると、初期費用ゼロでクリーンな太陽光の電気を使えるというメリットもあいまって、米国の住宅用太陽光発電市場ではこの形態が急速に普及しつつある。

上述のソーラーシティも、このビジネスモデルが奏功して米国でトップシェアを獲得するに至っているのは、太陽光発電の分野では有名な話。

実は日本でも、日本エコシステムという会社が「じぶん電力」というブランドで既に商品化しており、この第三者所有モデルに類する再エネ・サービス事業を日本で展開し始めている。

証拠は何も無いのだが、太陽光発電システムで実績を積み、「Looopでんき」で電力小売りにも参入、予想以上の顧客獲得に成功したLooopが次に何か仕掛けるとしたら、この第三者所有モデルしかないだろうと勝手に想像を逞しくしている。

他には定置型蓄電池なども「次の一手」となる可能性はあるのだが、既に手持ちのパーツを組み合わせるだけという点で、Looop社ならこちらを先にやる可能性が高いのではと見ている訳だ。

ただ、このビジネスモデルは、顧客が高価なソーラー発電システムの費用を用意しなくて済む代わりに、顧客が利用できる資金(調達の手段)、または提携する金融機関なりノンバンクなりを太陽光システムのメーカー側が自身で用意しておく必要がある。

米SunEdisonが最近になって破産してしまったように、再エネの発電資産を貯め込んだ挙句に資金繰りに行き詰るという残念な事例も最近、散見される。

ソーラーシティも直近の決算が赤字となっており株価がやや低迷、SunEdisonの二の舞になるのではないかと危惧する向きも少なくなかったりするのが現状だ。

Looopの中村社長がいくらおカネを借りること(資金調達)が得意でも、無数の消費者に対してこのビジネスモデルを仕掛けるには相当の資金力あるいは提携企業との準備が必要となるはずで、そこをどうクリアするのかが筆者にとっては目下非常に興味の尽きない点である。

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