電力業界の「悪代官」と「越後屋」による”新電力潰し”と”再エネ潰し”とは

電力システム改革の課題と可能性・・・?

(「太陽光発電パネルは経年劣化する」の続き)

CELCの発電データ報告会のあと行われたセミナー、実は当初それほど期待していなかったのだが予想に反して非常に良い内容だった。

電気事業法の改正と電力自由化について先日触れたが、このセミナーもそこが焦点だったのである。しかも、太陽光を始めとする再生可能エネルギー事業者や「グリーン新電力」つまり新電力でも再エネに特化した事業者の目線で話してくれたからである。

当初、CELCのT様から頂いたご案内では、このセミナーの内容は次のような説明だった:

「2016電力自由化に向けて、再生可能エネルギーの未来を拓く」
竹村英明さん(市民電力連絡会会長)

来年からの電力自由化を迎え、私たちが本当に再生可能エネルギーで暮らす未来を引き寄せることができるのか、様々な課題と可能性について、CELCもメンバーとなっている市民電力連絡会会長の竹村英明さんにお話し頂きます。

以下、このセミナーの内容の要点をまとめてお伝えしたい。
ただ、それらをすべて一度に書くのは難しいので、少しずつ小分けにしてご説明する。
具体的には、だいたい以下のような内容:

  • 電力システム改革とは
  • 日本の再生可能エネルギー
  • 回避可能費用の市場連動
  • 託送料金も一般家庭が最も負担
  • ……

本当は、発電データ報告会の記事のあとに、全部を一気に書こうと思ったのだが、二足の草鞋を履く筆者にとってはやはり難しいので、小出しにさせて頂くことにした。けっしてもったいぶっている訳ではないので、ご了承頂きたい。また、これまでと同様、途中で別のネタを書いたり、気が乗らないと書けなかったりするかもしれないので、それも予めお断りしておく。

出力抑制の次は、プレミアム買取の縮小、次は?

ちなみに、これから本ブログでお伝えしようとする話は、どちらかと言えば新電力に対してより深刻な影響がある(というより、既に「あった」と過去形にすべきかもしれない)話だ。

太陽光など再エネ発電事業者に対しては、今の所それほどの影響ではないが、例えばその新電力による、いわゆる「プレミアム買い取り」が縮小化の方向にある状況に既にお気づきの方がいらしたら、それに深く関わることと言えばお分かりになって頂けるかと思う。

簡単に言えば、「新電力潰し」や「再エネ潰し」が行われている(というより、「行われた」とここでも過去形にするのが適切かも)ということだ。太陽光では出力抑制などの形で既にかなり表面化しているが、来年の小売全面自由化の前に電力流通の側でも似たようなことが水面下で進行中ということである。

ドラマ風にやや誇張して具体的に表現するなら、次のようなやり取りが過去のどこかの時点であったのではと推測している:

(都内某所の料亭にて)
越後屋:「お代官様、雨後の筍のようにウジャウジャ出て来た緑色新電力屋は我々にとって目の上のたんこぶ。しからば、奴らの商いが出来ぬよう、○○を□□して頂きとうございます。奴らが市場からすべて退場してしまった暁には、核と瓦斯、石炭でこれまで通り私どもが電力を安定供給して参りますので、どうぞご安心を。また、この越後屋にてお代官様の天下り先をしかとご用意致しております故、ゴニョゴニョ・・・」

悪代官:「越後屋、おぬしもワルよのぉ(ニタ~っと微笑む)」

越後屋:「いやぁ~、何を仰いますか、お代官様こそww…(笑)」

悪代官:「越後屋、お主は少々飲み過ぎではないか?まぁ良い。とにかく、良きに計らえ。ワッハッハッハッ!」
………

越後屋と悪代官の密談

(出所:Atnet Japan!様のフリー素材

筆者はこのような密談の現場を見た訳でも、誰かに聞いた訳でもないので、あくまでも推測、いや憶測の域を出ないことを念のために明記しておく。

しかし、先の土曜日のセミナーで市民電力連絡会の竹村英明氏から聞いた内容、そしてその場で確認したやり取り、さらにそれ以外にも様々な場所や機会に収集した情報からは、上述したのと似たようなやり取りが電力業界の「越後屋」と「悪代官」の間で交わされたのではないかと考えている。

新電力として届け出た670+社で、生き残れるのは何社か

ところで、既報の通り昨日ドイツの電力自由化についての見聞を深める機会を得た。
(関連記事:「電気事業法改正・発送電分離は本物か:ドイツの電力自由化を学ぶ勉強会」)

ドイツでもやはり過去に大手電力と電力自由化を推進する政府やクリーンな電力を欲する市民や団体との間で闘いがあり、大手電力側は既得権を手放すまいとしぶとく抵抗していたそうだ。やはり、どこでも同じような状況がある、またはあったのだ。

残念ながら、日本ではこれから詳しくお伝えするつもりの新電力潰しと再エネ潰しのために、本来あるべき姿の電力自由化からは程遠い形で当分の間推移しそうである。その結果、ドイツや米国のようにクリーンな電力をリーズナブルなコストで自由に選ぶということが小売りの全面自由化後でも難しくなりそうなのが現状だ。

新電力として市場に残れるのは、ガス火力など安定して電力を供給できる電源を現在保有し、既に電力売買や取引の実績が豊富なエネットなど上位数社だけになると思われる。

(ちなみに、一昨日アップした記事「東電と提携、インドで太陽光発電に参入するソフトバンク・孫社長の胸算用」を書いていた時には、感情が先走り孫社長を避難する論調で書いてしまったのだが、実はソフトバンク・グループも新電力として事業が厳しくなることが分かったため、なりふり構わず生き残るために東電との提携という苦渋の選択をしたのかもしれないと思い至った。)

それ以外に新規参入を目論んでいたベンチャー企業や地域系新電力のほとんどは、市場からの撤退か、または非常に苦しい事業運営を余儀なくされる可能性が高いとみている。

なぜ、そうなるのか。

電力システム改革は複雑で分かり難く筆者自身もまだ完全に理解できているか心もとない点も多いのだが、難しくなりがちな内容を出来る限り分かり易く、これ以降のいくつかの記事でお伝えしたいと考えている。
(続く)

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