再生可能エネルギー事業計画書・趣意書の事例

事業計画書
昨日頂いたご質問の続き(一部)を記す:

事業計画書の内容、融資先の選定、進め方についてアドバイスいただければ 幸いです。

事業計画書については、本ブログで公開しようと思いつつ未掲載だった趣意書・事業計画書があった。先日、ある銀行から資金調達するための書類の一部として更新していたので、それを以下にご紹介させて頂く。

(本事業計画の概要は、筆者の個人情報や太陽光発電所の住所などを伏せさせて頂いているが、それ以外はほぼ原文と同じままである。)


再生可能エネルギー事業の趣意書および事業計画概要

2015年12月17日

神奈川県○○市○○△◇☆
BFエナジー 代表 びっぐフィ~ルド

2011年3月11日に発生した東日本大震災およびその後の原発停止に伴うエネルギー供給の問題に関して、我々は中長期的かつ複眼的な視野で我が国の経済およびエネルギー政策を考えなければならない。

まず、原油や天然ガスなどの化石燃料や原子力による持続可能ではないエネルギーに永続的に依存することは、経済面で得策ではないばかりか、エネルギー安全保障の観点からも無視できない問題を孕んでいる。

したがって、当面は天然ガスを中心とした高効率なガス火力発電を活用しつつも、低炭素で持続可能な代替案として再生可能エネルギーによる分散電源を国土の津々浦々まで普及させることが必要である。そうすることにより、地産地消による安全かつ安心で、雇用創出に繋がり経済活性化にも寄与する分散電源が各地で確保できる。

各地の特性や風土に適した分散電源を配置することで、従来であれば輸入による原油やガスを購入するために国外に流出するお金をその地域に留めて還流させることで経済の活性化や雇用の維持さらには創出に繋がることが期待できる。

例えば、私が太陽光発電所を最初に立ち上げた岡山県では、真庭市などに豊富な森林資源がある。その森林に由来する間伐材や木質ペレットなどを使ってバイオマス発電を行えば、コージェネレーションによってコミュニティでの熱活用、間伐材や木質ペレットを生産するための雇用創出、低炭素化の促進、など数多くの経済的かつ環境的な効果が生じる。

また、大規模な(100万kWクラス)火力や原子力発電所を集中的に配置させると送電網も大がかりなものが必要であり、災害などで停止した場合の停電などのリスクが高い。

一方、比較的小規模(数kW~数100kWクラス)の分散電源をコミュニティごとに数多く設置させる場合、電源自体はコスト面でやや高くなるものの、その発電所をコアとしたマイクログリッドを構成することで高価な送電網インフラは不要となり、また災害などでの停電リスクは前者よりも低くなる。

経済的なメリットとしては、今後原油や天然ガス価格が高騰した場合でも、地産地消で再生可能エネルギー主体の分散電源であれば、海外から輸入するそういった化石燃料資源の価格高騰による影響をほとんど受けずに経済活動を継続することが可能である。

現在では、太陽光発電パネル、木質ペレットや間伐材、あるいは風力タービンなどの設置や管理コストはまだ高いものが多いが、数多くの事業者が参入することで規模の経済が働くため次第に低コスト化を図ることが可能になる。このような視点は、実際に現在でも欧州のデンマークやドイツなどの先進的な再生可能エネルギー導入事例を鑑みれば容易に予測可能である。

以上のようなエネルギーや経済を視野に入れたビジョンを現実のものとすべく、まず私は岡山県南東部(2014年4月に連系)および南西部(2015年5月に連系)で50kW太陽光発電所の設置と稼働を開始した。

いずれも、国が制定した再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、20年間の継続的な売電を予定している。周囲にはフェンスなどを設置し、除草を行うなどの保守業務をほぼ定期的に行っている。

今後の具体的な行動計画

今後の予定としては、低圧連系(50kW未満、設備投資額:約1600万円)の太陽光発電所を最多であと5カ所、広島県(2カ所)および東関東(3カ所)にて設置することを計画しており、準備を進めている。

東関東における2件の事業計画(概要・予定)は、以下の通り:

2015年
1月 設備ID申請
2月 東電申請
4月 土地仮契約 → 沼尾は近日中となる見込み、T地区は要確認
8月 農転完了 → 2016年の出来るだけ早い時期に実施
(なおN地区は、非農地証明を地権者が取得する予定で、農転の必要なしとなる見込み)
12月 連系負担金確定 → 2016年1月~2月頃となる見込み

2016年
3月 第一期 土地賃貸契約 部材発注
4月 同施工
4月 第一期連系 土地正式契約
5月 第二期 部材発注
6月 同施工
7月 連系完了 土地正式契約

備考:

  • 太陽光発電所の用地は、いずれも地権者と賃貸契約を締結する予定
  • 東関東の二件については、N地区が第一期、T地区が第二期
  • 農地転用や地権者との交渉、用地造成、資金調達などの状況によって本事業計画における工程や手続きには前倒しまたは遅延が生じる可能性がある

使用部材(一基分)

  • 太陽光発電モジュール: ドイツ・SolarWorld社製 SW255Poly 300枚 (76.5kW)
  • パワーコンディショナー: 田淵電機・Enetelus三相9.9kW 5台 (49.5kW)

※ パワコンについては、現在設置予定の用地における塩害による故障の可能性が判明したため、塩害耐性のある機種(例えば、ドイツSMA社製の同等品)への変更を予定・検討中

東関東の三カ所とも同じ部材を使用する計画であり、その旨で設備認定にて申請を行って受理されている。(それぞれの設備認定の写しを参照)

予算:一基当たり1300~1500万円程度を想定(部材の仕入れ先および施工業者により変動)


まとめ: 実際には一般により詳細な事業計画書が必要

事業計画書(概要)は以上である。実際には、用途によって更に詳細な事業計画などが必要になることも珍しくない。こちらでご紹介したものは、資金調達の面談のために急ごしらえした、A4でわずか2枚の簡易的な概要にすぎず、あくまでも一つの事例である。

なお、本ブログのコンテンツは今年からクリエイティブコモンズのライセンス(2.1)に準拠することに決めたので、これらの条件を満たす限りご自由に再利用して頂いて構わない。(商用利用など再利用に当たって当方との協議が必要な場合、ご連絡を頂ければ幸いである。)

最後に、融資先の選定や進め方については、公庫とあとは民間の銀行という点を既にお伝えした通りで、具体的な選定については地域や銀行との取引状況などによってまちまちと考えられるため、ケースバイケースとなるだろう。

したがって、遺憾ながら具体的なアドバイスは難しいため、差し控えさせて頂きたい。

(Photo credit: Yahoo Inc via VisualHunt / CC BY

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コメント

  1. 事業計画書は、日本政策金融公庫で公開されている創業計画書のエクセルシートを使うと
    便利ですよ。
    農地転用などに提出するには足りませんが、金融機関への提出には十分なものなので。
    ウェブサイト欄に該当HPを張っておきます。

    • ビッグふぃ~るど より:

      匿名希望=通りすがり(鬼)さま、

      コメントと事業計画書の情報どうもありがとうございます。
      ご教示のとおり、金融機関はこの程度の書類で大丈夫そうですね。