【単管パイプによる太陽光発電所の施工体験:その2】
北杜市増富の限界集落に到着、参加者全員が顔合わせ
甲府から北杜市増富までは、クルマで小一時間ほどだ。
途中、コンビニエンスストアに寄って少し遅い朝食の飲食物を入手し、目的地へと急いだ。
やがて現地に到着した訳だが、限界集落と言っても別に看板や案内標識にそう書いてある訳ではないし(笑)、集落の見た目は普通の鄙びた農村か田舎といった感じである。
何かもっと、廃墟みたいな荒廃したイメージもあったのだが、少しばかり拍子抜けしたといったところ。
一週間前に続いて今回が二度めのAZ氏は北杜星のスタッフKさんとも顔見知りなので、藤原さん宅に着くや慣れた感じの立ち居振る舞いで憶することなく家の中に入っていく。今回が初めてのN氏や筆者は少々遠慮気味にそろそろと中に入り居間に上がる。
居間には先客がいた訳だが、作業に入る前に少しお茶を飲んだり、自己紹介をしたりということのようなので、その成行きに従う。最終的に、本日の太陽光発電所での作業のメンバーは、以下のような顔ぶれということが分かった:
- AZ氏(筆者の友人。職業:都内の某ブラック企業勤務の会社員w)
- M氏(筆者の友人。職業:太陽光発電や通信関連の開発支援など)
- N氏(AZ氏の友人)
- K氏(北杜星のホームページを見て参加?職業:システムエンジニア)
- I氏(北杜星スタッフ、本業はクラフトワークだそう)
- K氏(北杜星スタッフ・社員)
- 筆者
北杜星および山梨自然エネルギー発電の社長の大友氏は、午後遅い時間に姿を現すらしい。
その辺の様子は予めAZ氏から聞いていたので、あまり当てにせず、とにかく単管パイプ太陽光発電所の施工体験に打ち込もうと思った。なお、M氏も少し遅れて参加の予定。
単管パイプ太陽光発電所の建設現場で施工作業を開始!
午前10時半頃だろうか、そろそろ作業を始めようかということになり、いよいよ単管パイプ架台で太陽光発電所を建設中の現場へと歩いて向かう。
集落の藤原さん宅からは徒歩で10分ほどの少し小高い丘のような感じの地形の所に、その仕掛かり中の太陽光発電所はあった。
単管パイプ架台の太陽光発電所は珍しくないので筆者もこれまでにあちこちで見かけている(Looop社の太陽光発電キットも、基本的に単管パイプ架台の仲間と言っていいだろう)。
だが、基礎も単管打ち込みのオール単管パイプ(注:ソーラーパネル取り付け用のレースウェイを除く)で施工途中の単管パイプ架台を見かけたことはこれまで無かったし、その施工作業に携わるのも今回が初めてだ。
今回、架台の方は組み上がっているので、我々が行う作業はソーラーパネルの取り付け、パワコンの取り付けなどになる。AZ氏から聞いていた通り、80枚ほどのソーラーパネルをかなり斜度のある(30°位?)斜面に設置した単管パイプの架台に取り付けて行く。
かなりの急斜面と足場の悪いぬかるみでの施工作業
太陽光発電所の場所が平坦で普通の地面であれば、特にどうということは無い。
しかし、今回はかなり急な斜面で、田んぼと田んぼの間にあるため、斜面のすぐ下側は泥でぬかるんだ足場の悪い場所で、その辺での作業の難易度がやや高いと思われた。当然、持ってくるよう指示を受けていた長靴は着用となる。
それに滑り止めのついた軍手、現地で支給された工事用ヘルメットも装着して作業を行う。
ヘルメットについては、太陽光発電を本格的に始めるまでは「別にビルや住宅の建設現場じゃないんだし、大袈裟だよな~」などと思っていたのだが、けっしてそうではない。
単管パイプ架台に限らないが、太陽光発電所の架台はスチールやアルミの棒や柱で作られている。
それらの周囲や下を歩き回ると、注意力が散漫になった時などに架台に頭をぶつけたりしてしまうことにやはりどうしてもなるのである。(実際に当方の太陽光2号基でも、架台の構造から頭をぶつけ易く、ヘルメットでもあればと思う事はあったし、今でもある。)
さらに、今回のように足場の悪い場所だと滑って転んだりしたときに頭を打たないような防御も必要である。したがって、今回の施工作業では自身の安全のためにも、支給された工事用ヘルメットをきちんと被って作業に臨んだ。
単管パイプに「レースウェイ」を組み合わせた架台
さて、ソーラーパネルの単管パイプ架台への設置だが、大友式の単管パイプ架台では、電気工事などで使用する「レースウェイ」と言う部材を流用して、ソーラーパネルを取り付ける。
(注:すべて単管パイプだけで架台を組み、U字ボルトと押さえの金具でパネルを取り付けるというやり方もある。筆者が1号基で導入したオフグリッド100Wソーラー電源の架台も単管パイプに直接ソーラーパネルを取り付けている。)
レースウェイにはソーラーパネルのフレームに開いている穴の位置と合わせて穴が開いており、その穴を合わせてボルトを通し、ナットで締めて固定するというのが基本である。
なお、こちらではソーラーパネルにはすべて中国ソプレイソーラー(Sopray Solar)社製の多結晶シリコン(出力255W)を採用している。
(続く)
コメント
懐かしいですね。
ソプレイソーラーの単管パイプDIYキットですか。2年前ぐらいに、展示会に出してましたw
簡単に組もう!ってことで。
まだ売ってたんですね。パネル+パワコン+ケーブルのDIYセットはヤマダ電機などを通して売っているのは知っていたんですが。
匿名希望さま、
念のため、北杜星さんの発電所はご教示のキットではないと思われます。
単簡パイプやクランプなど、資材すべてをそれぞれのメーカーからまとまった数で仕入れているようでしたので。。。
ヤマダ電機でも太陽光発電キットを扱ってたんですね、存じ上げませんでした。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
はじめまして。
当方、栃木で33kw運営しております。
ブログを拝見させて頂き、詳しく具体的な内容でとても参考になります。
この設置場所は農地ですか。
農地でも間の空いている場所なら設置できるのでしょうか。
私も2基目進行中で、日本政策金融公庫の融資を考えています。
自己資金もあるのですが、こちらは手元資金として残しておく必要があります。
公庫融資では手元資金を提示した方が借りやすいでしょうか。
それとも手元資金があると融資金額を減らされたりするでしょうか。
質問ばかりですみません。
よろしくお願いします。
もね様、
初めまして、当ブログをいつもご覧下さりありがとうございます。
この太陽光発電所の設置場所の地目は、「原野」だと聞きました。
もちろん、稲が植えられている田んぼは農地のはずですが。
地目が農地ですと、ご指摘の通り農転するか、またはソーラーシェアリングなどでない限り太陽光発電は法的に不可能ですが、農地の間にある原野なら、問題はありませんので、なるほどと納得しました。
公庫融資については、私の経験から申し上げる限り、手元資金があるからと融資金額を減らされるようなことは無いのではと思います。もちろん、店舗や担当者によっても融資の条件や基準は異なりますので、必ずそうだとは言えませんが…
ちょっと立ち位置を変えて、貸す側の観点で考えてみましょう。
余裕資金がある(=もし太陽光の売電収益に何かあっても、そこから返済してもらえる)のと、カツカツで売電収益が入らなくなったら融資の返済をしてもらえなくなるのと、どちらに融資したいか、と考えると、もし私が貸す側の金融機関なら前者に貸したい気がします。貸し倒れリスクが低いと考えられるからです。
もちろん、金融機関の使命として、融資が必要な人にも貸すという理屈も無ければならないと思いますが。
以上、少しでもご参考になりましたら幸いです。
地目は原野とのことですが、現況が田ということだと、農地の扱いになります。
農地転用の許可が必要になります。
地目が農地で、現況が原野という場合でも農地の扱いになります。
地目、現況のどちらかが農地だと農地の扱いになります。
この方はこれまで農業委員会と何度も問題を起こしていますので、そんなことは知っているはずです。
儲けるためならコンプライアンスやモラルもへったくれもないというのはどうなのでしょうか?
蛇野様、
農地転用についての詳細な情報ありがとうございます。
コンプライアンス(法令順守)やモラルは、もちろん必要です。
ただ、農地に関しては時代遅れの法律が農地の有効活用を阻害したり、農業への新規参入が困難になったりしている側面も無視できないと思います。
「悪法も法なり」という言葉もありますので、間違った法律にも大人しく従わなければならないかと言われると、それはまた異なった判断も要求されるように思います。(特に、最近の日本政府はそういう間違った法律をどんどん量産している感じです。)
大友氏の発電所での今回の作業では、そういった話を特にしていません。
よって、私としてはこれ以上の議論をすべきではないかと感じますので、ご理解頂けましたら幸甚です。
北杜市の農業委員会の方が、こういうことがネット等で出ると真似して設置する人が出るのと、北杜市農業委員会が認めているという風に勘違いされるので困ると言っておられました。
ネット上に載せるのであれば、それなりの裏取りも必要なのでは?