ソーラーインパルスの現在地:ハワイまであと1400km

ソーラーインパルス2 の現在位置

Si2の現在位置:ハワイの西方約1400km

ソーラーインパルス2(Solar Impulse 2: Si2)の現在位置だが、名古屋からハワイ・ホノルルまでの全行程の約80%を消化し、いよいよハワイまではあと約1400kmを少し切ったところである。つまり、ハワイの西方約1400km付近にSi2はいる。

天候の状況で日本に緊急着陸したのが、筆者の運のつき。とにかく、ソーラーインパルスのリアルタイムの状況が気になってロクに仕事も手につかない(苦笑)。特に、日中に蓄電池に蓄えた電気だけで日没後飛ぶ状況がとてもスリリングだ。電池の持ちについては、今晩あたり(明日の日の出まで)が最も注意を要するタイミングらしい。

下手なテレビ番組なんかより、ソーラーインパルスの飛行状況をネットで確認する方がよほど面白い。最初は良く理解していなかった、フライトレーダーやプロファイルの画面も何度もチェックしているうちに、ほぼ完全に理解できるようになった。

そうすると、なぜ高度8000mからはもっとゆっくり下降しないのだろう、とか、4基のプロペラにそれぞれ装備されているリチウムポリマー電池の減り方(SoC: State of Charge)のばらつきが少々大きいがなぜか、バッテリーマネジメントシステムはどのような仕組みなのか、といった感じでいろいろと疑問点も湧いてくる。

最初は疑問だった、突然進行方向とは逆に方向を転換したりする点については、ほぼ理解できた。寒冷前線を回避して飛ぶ以外に、バッテリーへの充電を最大限にするためにわざわざ少し逆戻りし太陽電池の太陽光への角度を調整するようなことも行っているのだった。

(このあたり、太陽光発電事業者としては「追尾式のソーラーシステムと同じだ」等と思ってしまったりする(職業病w)。)

それでも、フライトプロファイルを見ていると、その戻る時でも高度は一貫して上げていて、あとで滑空する事を考えると実はそれほど無駄な行動では無かったりして、流石はベテランのパイロットだなと感心したりもする。

ハワイでもソーラーインパルスが盛り上がるか

目的地、ハワイ州ホノルルのカラエロア空港というのは、通常ハワイの玄関となっているホノルル空港の西方約10kmの所にある。恐らく、中京圏で言えばセントレアに対する小牧みたいな位置付けの地方空港だと思われる。

ソーラーインパルス・プロジェクトのスタッフは、Si2の離陸後に片づけをして後からスタッフの専用機で追いかけ途中で追い越したようで、恐らく先回りをして現地でまたモバイルハンガーを設営したりしてSi2の到着を待っているのだろう。

ちなみに、そのハワイだが、最近ハワイ州は2045年までに電力を100%再生可能エネルギーでまかなうことを全米としては初めて決定した。

この再エネ100%法制化は、ソーラーインパルスが世界一周の冒険を3月にアラブ首長国連邦・アブダビから始めたときには、まだ可決されていなかった。太陽光発電だけで世界一周を行っているソーラーインパルス2の着陸によって、現地でも再生可能エネルギーへの興味や関心が一層盛り上がる可能性が高そうだ。

ソーラーインパルスのメッセージ「Future is Clean」をかみしめよう

もちろん、日本でも同じだ。運命の悪戯で名古屋に不時着したわけだが、その偶然のお陰で日本でも相当に大きく報じられることとなり、多くの人が太陽電池のエネルギーだけで飛ぶ、このグライダーみたいな形の飛行機の事を知ることとなった。

ちなみに筆者のブログでソーラーインパルスの事を書いていると結構多くの方が読みに来てくれているようだが、単に物珍しい、カッコいい、というだけで終わりにせず、彼らのプロジェクトが運んでいるメッセージ「Future is clean」(未来はクリーン)を是非、噛みしめて何らかのポジティヴな行動に繋げて欲しいと老婆心ながら考えている。

筆者は既に再エネの事業を行っている訳だが、ソーラーインパルスのプロジェクトに接することができ、非常に良い刺激を受け、ポジティブなエネルギーをたくさんもらえた。

ともすれば、日本のエネルギー行政ではこのブログで今書きかけの「悪代官」や「越後屋」のために気が滅入るようなことも多々あるのだが(汗)、それが今回のソーラーインパルスによってどれくらい元気や勇気をもらえたことか。

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電力システム改革の課題と可能性・・・? (「太陽光発電パネルは経年劣化する」の続き)CELCの発電データ報告会のあと行われたセミナ...

筆者はもう相当いいトシだが、ソーラーインパルスのパイロット2人はなんと還暦を過ぎてて、この冒険を行っているのである。Si2に出会えたことで、この国の、そして世界のエネルギーシフトに向けて、及ばずながら筆者としても可能な限り力を尽くしたいとの思いを新たにした訳だ。

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