分譲型(産業用)太陽光発電案件の説明会(前編)

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分譲型の太陽光発電案件のセミナーはかなりの人気

分譲型太陽光発電セミナー(イメージ)

分譲型太陽光発電セミナー(写真はイメージです)

土曜日の午後、都内で行われた分譲型太陽光発電システム案件の説明会に参加してみた。

一応”セミナー”と称していたし、参加すればしただけの勉強にはなるが、これはもちろん営業目的のものであり、当然参加費用も無料。

太陽光発電業界ではかなり有名な無料一括見積サイトとある施工業者がタイアップして開催したもので、少なくとも70名位は参加していたようだ。

さすがに知名度が高いサイトだからだろうが、84名のキャパシティがある会議室は説明会の開始時に2/3ほどが埋まっており、その後にもちらほらと遅れて人が来ていた。

録音や録画こそしなかったが、一応メモを取り、パンフレットももらってきたので、これ以降でご報告したい。

太陽光発電業界で3つ目のうねり、分譲型太陽光発電

まず、無料一括見積サイトの運営会社の社長N氏の挨拶があった。
同氏によると、太陽光発電業界には3つのうねりがあるとの話。

まず一つ目が住宅用太陽光発電。二つ目が全量買取制度。そして三つ目が分譲型太陽光発電だそうである。

同氏の会社が運営する無料一括見積サイトの歴史との絡みで説明しつつ、それらのサイトの紹介も織り交ぜていた訳。

この会社ではネット上での太陽光発電業者と購入者とのマッチングに徹しており、自社では発電など行っていなかったと思うが、興味深かったのは、

産業用の一括見積サイトでも問い合わせが多数あり、セミナーや販売を行うと即完売の状態

とか、

現在の(産業用)太陽光発電市場は、需給バランスが崩れている。需要に対して供給が全然追いついていない。

といった発言である(半分は煽りトーク?でも、半分は本当だろうと思う)。

マッチングサイトだけでも、顧客の声を知っている強みだろう。それなりの紹介料を取っているはずだが、集客力に乏しい多くの施工業者が頼ってくるのも無理はない。

太陽光発電の分譲案件、宮崎県都城市で確かにかなり魅力的…

一括見積サイトの運営会社の代表・N氏の挨拶についで、本セミナーの本題である今回の分譲型産業用太陽光発電所の企画・販売会社の社長O氏より、その分譲案件の具体的な説明があった。

この分譲太陽光案件の概要を以下で簡単に記す:

宮崎県都城市の太陽光発電所分譲案件

宮崎県都城市の太陽光発電所分譲案件

所在地: 宮崎県都城市
区画数:全18区画
売電価格: 36円(税込37.8円、設備認定申請済み)
部材・数量:
太陽光発電パネル60kW=カナディアンソーラー CS-6P 242枚、またはQセルズ Q.Proシリーズ
パワコン(PCS)=独SMA 「Sunny Boy」シリーズ 11台
販売価格: 2775万円 → セミナー参加特典価格
動産保険: 加入(国内大手損保会社)。火災、落雷、台風、水害、盗難をカバー。
竣工時期: 年度内
その他: 借地代および管理・運営代として、月45,000円別途支払い。

管理・運営の内訳は、年2回以上の草刈り等、緊急時対応(電気系統)、および年次報告書の発行など

部材などの細かいスペックなどについては、別途触れたいが興味ある方はグーグル先生に聞いてみて頂きたい。

「分割案件」の連系に九州電力が難色を示したそうだが大丈夫?

以下、さらに補足しておくと…

まず、恐らく発電所の建設も分譲がすべて売れてからだと思うが、竣工時期も九州電力との連系協議の関係から数か月はかかるということで、年度内には売電開始になるものの、かなりタイトな予定になりそうな感じであった。

その理由は、この種の分譲型太陽光発電所は50kWを何個もまとめていて実質的にはメガソーラーと変わらない規模であること(いわゆる「分割案件」)を理由に、九州電力が系統連系協議において難色を示したそうだからである。

ただ、筆者がO氏に質問して確認したところ、法的に何も問題はないので、システムを高圧に設計変更などはせず、このまま低圧×18個の50kW発電所(パネルは60kW、パワコンで49.5kWに制限するタイプ)を建設、販売するとの方針に変更は一切無いとのことだった。

この際に、O氏から聞き出した重要なことが一つあった。

それは、今回のこの業者の案件ではこのまま通してくれる見込みだが、今後この種の名目上は50kWの低圧契約太陽光発電所を何個も同じ敷地に作り出力上は実質的に50kW以上の高圧契約となるものを許可・認可しない可能性が高くなっているらしいこと。

これが本当であれば、今後分譲型案件はキュービクルを設置したメガソーラー型でなければ認められず、そうするとばら売りで分譲する区分のコストに跳ね返ったり、あるいは分譲というビジネスモデル自体が今後は減ってしまったりする可能性が出てくると思う。

(後編に続く)

分譲型(産業用)太陽光発電案件の説明会(後編)
分譲型太陽光発電―強気の理由は「売り手市場」 という訳で、この分譲型60kW太陽光発電所、かなり魅力的ではあったのだが、筆者の感想は「価格が高い」ということに尽きる。 確かに発電所の立地や評判の良い部材の選定などもあり、非常にそそられるのは...

コメント

  1. 神山 直也 より:

    群馬の前橋に発電所用地を確保し低圧2期で約80kwを来年2月中に設置完了予定の者です。
     こちらは初めて拝見させていただきました。確かに、上記用地を確保する間にも、照会案件が飛ぶように捌けてしまっていました(8月くらいの話ですが)、どうしようかなと数日迷っているうちにどんどん設置業者提示の対象地がなくなってしまい、正直用地確保のタイミングに焦りを感じました。
     また、来年度の売電価格は消費税込34円見込みとか…消費税の益税は買い取り価格42円・38円組みに絞られそうです、今年度がラストチャンスであったようです(後4ヶ月ほどありまだ終わってませんが)。

  2. bigfield より:

    神山さま、

    初めまして、コメントと関連情報をどうもありがとうございます。また、お返事が遅れ大変失礼しました。

    やはり、時限的な措置で早い者勝ちな状況ということで動きが早いですよね。

    私も少し高いと思いつつ、エイヤで発電所用地の取得を決めたのも、それを見送ると恐らく当分、それと同等の条件の良い物件は見つからないだろうと感じたからでもあります。

    出来れば、今年度中に、もし今年度が無理でも何とか来年度内にあと1基は作りたいと思っています。

    今後とも色々と情報の交換が出来ましたら幸いです。

    どうぞよろしくお願いいたします。